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2010.12.05(Sun)

危険な依頼者(3)



稲森の右頬を思いっきり殴りつけるとその反動で前方に吹き飛んだ。

「いってぇなー!!何すんだよマネージャー!」
「うるさい!!!お前のせいで俺の妻が死んでしまったんじゃないか!!」

顔を赤くし怒り狂う稲森のマネージャー。
だが、それでも稲森は素知らぬ顔で「んなの俺知らないし」と言う。


――1年前

稲森は、相変わらず人のものに手を出していた。
その頃は一人の既婚女性と密会し甘い一時を過ごすことが多かった。
そう、その女性が現マネージャーの奥さんだった。
その奥さんは根は真面目で、夫が居る身でありながら稲森を好きになってしまい
繰り返す密会でとことん深みにはまり、そして気分屋の稲森はまた別の女へ
手を出してしまった。
それを知ったマネージャーの奥さんは、耐えきれず自ら命を絶ったという。


マネージャーの関係者に色々聞き回り得た情報でやはり俺の勘は当たってたようだ。
恐らくこの組長娘問題を利用して稲森を誘拐し殺そうってんじゃないだろうか。

やべぇな。

「たぶん稲森はマネージャー宅に連れ込まれてそうだな」

俺はミニを走らせすぐにその場所まで向かった。



「稲森!お前のせいで妻は!!」

包丁を片手に持ち殺気を放ちながら稲森にジリジリ近寄る。

「おい!よせって!くんな!俺は・・・」
「うるさいーー!!!」

稲森目掛け包丁を大きく振りかざそうとしたその瞬間。

ピーン!!

「ぐあ!」

人差し指と親指で弾かれたパチンコ玉が包丁を持つマネージャーの手にクリーンヒット!
痛さのあまり包丁を落とし、そこをすかさずもう一つパチンコ玉を飛ばしこめかみに当てる。
その衝撃で脳しんとうを起こしその場に倒れ込んだ。

「よし、これでしばらくコイツは動かねーだろう」
「さっすが冴羽さん・・・」
「さっすがじゃねーっての。お前殺されかけたんだぜ?
お前やらかした事わかってねぇのか?」
「うーん・・過去のことはさっぱりすぐ忘れちゃうからなぁ」
「おいおいおい・・・」

ま、まぁ・・・俺も人のこと言えないこといっぱいしてきたわけだが・・・

「それよか、うちの香ちゃんが誘拐されちゃったんだけど?
お前のせいでもあるんだがなぁ~どうしてくれんだ?」
「え!?香さんが!?」
「おいおい、さっきまでの落ち着きは何処へ行った」
「こうしてはいられないじゃないですか!すぐ助けに行きましょう!」
「お、おう」

その後マネージャは、稲森を殺そうとした罪で逮捕された。


稲森をミニに乗せ香が拉致されている場所へ急行した。
車の中での稲森は、一切おちゃらけもせず真剣な表情をしている。


GPSで居場所を確認しながら着いたそこは廃屋となったビルであった。
中へ入ると静まりかえっている。

「・・・・稲森、俺は先に行くから後から着いてこい」
「俺も一緒に行きます!」

顔を濁らせ苦笑する撩。

「恐らく香達は屋上だ。だがしかし相手はプロ。
屋上まで行く道のりに色々トラップが仕掛けられている可能性は大だな」

・・・って!?稲森いねーし!?
稲森から目を離した隙に先に行ってしまったようだ。

「俺は行きますよ!冴羽さんに何と言われようと香さんを助け出します!!」

おいおい!ここは海坊主が絡んでるんだぜ!?
素人が首突っ込むような生半可なもんじゃねぇー!!

撩はすぐさま稲森を追いかけいくと、予想通り稲森の叫び声が聞こえた。

「ったく言わんこっちゃねぇーな・・・!!」


床が崩れ落ち稲森は間一髪下半身だけ落ち上半身は床にしがみついていた。

「さ、冴羽さーーーん!」
「だから行くなって言ったのによ~」

めんどくさそうに言いながら撩は右手を差しだしヒョイっと稲森を片手ですくい上げる。

「す、すみません・・・」
「まぁいい・・・俺が先に行って安全なら声を掛ける、そのあと来てくれるか?」
「わかりました!」


うし、いっちょ海ちゃんの仕掛けられたトラップ派手にかましていきますかねぇ!


ドーン!ドコゴーーン!!!ゴゴゴゴゴゴ!!


凄まじい爆音と共に仕掛けられたトラップを解除していく撩。
ナイフが飛んできたり、床から図太い針が出てきたり、コンペイトウが飛んできたり・・・

あ・・・れ・・・?


微かな疑問もまたかき消されるほどの激しいトラップの連続に撩もボロボロになるが
身体にはトラップでの傷は一つ無く無事に抜けていった。
後ろを慎重に着いてくる稲森にとって初めての戦場体験。
あまりにも恐ろしくて脚がガクガク震えさっきの威勢はどこへやら・・・


「よし、この扉を開ければ香さんが居るわけですね!」
「ああ、だが慎重に開けないとまだ何か仕掛けられてるかもしれんぞ?」


撩に言われたとおり稲森は慎重に扉を開くと、仕掛けは無いようですんなり開いた。


「よう~海ちゃん、美樹ちゃん」
「待っていたぞ撩」
「冴羽さんボロボロねぇ」


屋上へ出ると、そこには海坊主、美樹、組長の娘エリカが立っており
香は手首を後ろで縛られ海坊主の前に立っていた。

撩はエリカを見た途端、もっこり美人センサーが働いて顔がニヘラ~と
なりながら「やぁ~!ボクのもっこりちゃん!」と飛びついた。
するとまたもコンペイトウが頭上から振ってきた。

「ふごあ!!」

香は後ろで縛られていると思いきや腕を組んで撩の目の前にドシンと立っていた。

「あっれぇ・・・香しゃん・・・どーちて縛られてないのぉ・・・?」←潰されてる状態w
「うっるさいわねぇ!!このもっこり大将!!浮気者!!」

ぷんすか怒る香に対して稲森が「香さん無事で良かった」と撩の事など目にとめず言い寄る。

(くそ、稲森のやつ・・・俺も一直線に香に飛びつきたいけど海ちゃんが居る前ではなぁ)

香に近づこうとする稲森にエリカが罵声を浴びせかける。

「翔太!!その女から離れろ!!」
「・・・嫌だね」
「あんた、私のこと好きだってあれだけ言ってくれてたじゃないの!!
あれは嘘だって言うわけ!?」
「ああ、そうだよ。嘘さ」
「な、なんですって!?」

怒り狂ったエリカが稲森の方へ駆け寄ろうとした瞬間。


バチン!!!!


香が稲森をブッ叩いていた。
突然のことで一同呆然とする。

「あなたって最低ね!!」
「か、香さん・・・?」

叩かれた頬を抑え稲森は香を見つめる。

「あなたみたいないい加減な人、あたし許せないのよ!」


香は、捕らわれている間にエリカから経緯を話され同感していた。
自分も撩と今まで曖昧な関係を強いられ、何度も悩み何度も嫉妬してきた。

ただ、撩はちゃんと自分と向き合ってくれるようになった。
そりゃたまにさっきのように美人見掛ければ飛びつくこともあるけれど・・・
曖昧だった関係の頃と比べれば断然今はあたしに対して優しく接してくれてる。

大事にしてくれてる。

・・・そう、そうよ。

「女を大事にしない男は大嫌いよ!」

香の言葉に稲森は溜息を一つ落とすと本当のことを話し始めた。


稲森は、今まで“人のもの”に手を出すことを好んでいたのだが
組長の娘エリカに関しては違っていた。
エリカとは、あるラジオ番組での共演で知り合った。
稲森にとってエリカは美人お姉さんただそれだけの存在だったのだが
共演をキッカケに、連絡を取るようになりいつの間にか親しい関係に。
こんな普通の関係が今まで稲森には味わったことが無く、新鮮だった。
だが、組長の父親にバレてしまいエリカには内緒で父親から稲森に
「別れなければ、どうなるかわかるよな?」と脅迫じみた文章が送られてきた。

別れたくなく何度も反発したが、それに対して何度も嫌がらせを受けてきた。


「だから、俺はエリカに嫌われようと他の女に手を出した。
けど、こんな事態になっちゃって・・・お二人に護衛の依頼をしたんです」

稲森の話に信じられないと言った表情でエリカは立ち尽くす。

「組長の親父がお前等を別れさせたってことか~」
「だからって他の女に手を出すとかあり得ないわよ!」

香は、立ち尽くすエリカを稲森の前へ連れてこさせた。

「もう!!組長にはあたしが言っておきます!!
だからこれから二人でじっくり話し合いなさい!!」

(あっはは・・・組長さん香ちゃんには目がないもんなぁ・・・
香に頼まれたら今回の件済んじゃいそうだもん)


苦笑する撩は香の肩を抱いて、海坊主や美樹に手をヒラヒラ振ると

「んじゃ、俺はコイツを返して貰うからな」

と告げクーパーまで戻っていった。


家へ帰る途中、ひとつ疑問に思っていたことを口にした。

「なぁ~香?」
「ん?」
「俺がトラップ潜り抜けてる最中に見覚えのあるトラップが飛んできたんだけど
あれって・・・まさかおまぁ~のじゃねぇよなぁ?」
「あ、バレた?あはは・・・」
「やっぱりお前かぁ~!」
「エリカさんの話し聞いたらムカついちゃってついつい・・・」
「ったくよ~危うく俺引っ掛かっちゃうところだったぜ?」
「ご、ごめん~」
「ま、いいさ。
あ~!腹減った!帰ったらなんか飯作ってくれ~」
「うん」




それから、稲森とエリカは和解し付き直すことに。組長とも香のお陰で話がついた。
稲森とエリカはまた再出発をし始めたばかり、上手くいくことを香は願うばかりだ。


リビングでいつものように過ごす二人。
ソファーに座りコーヒー片手にそれぞれ雑誌を読む。
ふと、見たページに稲森が載っていた。

「でも、なんで稲森さんあたしなんか口説いたのかしら」
「うんうん、物好きもいたもんだなぁ~」
「もう、撩!?」
「じょ、冗談冗談!」

後で言っていたが・・・

「香さんの事は本気でしたよ。
けど、香さんの真っ直ぐな気持ちと冴羽さんの香さんへの愛で
俺の入る余地は無いと確信しました・・・
それに、お二人を見ててエリカへの愛が再確認できました」


香は、いつだって真剣だもんなぁ。
揺らぐことのない俺への愛。だから俺は安心して居られる。


「か、お、り」
「・・・ん」


振り向いた香に撩はそっとキスをした。


「コーヒー味だね」
「ああ、甘ったるいカフェオレになってるけどなっ」

撩「お前のコーヒー甘いってば」香「撩のは苦いから口の中で丁度良いでしょ?ふふ」






◆あとがき◆
やっと書き終わった!ヽ(・∀・)ノ
なかなか纏まらなかったorz
久々の中編です~!いかがでしたでしょうか~!
今回はオリジナルキャラ出演でしたが、しっくりきてたかな・・・
みなさまに楽しんでいただけていたら幸いです!


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テーマ : 自作小説(二次創作) - ジャンル : 小説・文学

20:59  |  ◆CH小説(原作設定)◆  |  TB(0)  |  CM(1)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

カイト様こんにつは。
危険な依頼者完結ですね。
香ちゃん恐い・・・やっぱ浮気男は許せないよね!
香も、ず~っとリョウの性格に悩まされてきたんだもん・・・痛感しちゃうよね・・・
でも稲森さんとエリカうまくいくといいね^-^。
さや | 2010年12月06日(月) 13:31 | URL | コメント編集

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