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2011.01.23(Sun)

都会の天使第二章 第二話「交差する想い」


第二話「交差する想い」



明け方5時、外はまだ薄暗く寒い。
サエバアパート地下射撃場では銃声を響かせ硝煙が立ちこめている。
ジャラジャラと空になった薬莢を排出させ、また装填すると的に向かって撃ち続ける。

銃声が鳴り終わるのを待ってドアが開くとミックが入ってきた。

「朝から熱心なこったな~リョウ」

「おう」

「ったくぅ~朝帰りってことは、お前女ともっこりしてたってわけー?」

「ふん・・・悪いか?」

「むむ、くっそー!俺も“あの子”口説いておけばよかったぜー!」

「つべこべ言ってねぇで、朝飯よろしくなミック」

「は、はぁ?」

「その辺で調達してこいっての」

「ったく、人使いがあらいよなぁお前・・
はいはい、わっかりましたよ。コンビニ行ってくる・・・」

「よっろしくなぁ~」


撩に背を向け右手を振りながら射撃場を出て行った。


「・・・ったく、女と遊んでたんじゃねぇっつーの」


あのBarであったアイツは二年前とは変わらず元気そうだった。
大事な妹をあんな目に遭わせたってのに・・・


――昨晩


「槇村・・・」

「なんだ~?その驚いた顔は・・・
殴られるとでも思ったか?」

「・・・・・・」

「はは・・・そりゃ、お前から金が来たときはハッキリ言って腹立ったぞ」

「・・・・すまない」

「だが、もう責めることはしないと決めたんだ。
だから、今日は飲もうと思って来てやったんだぞ?」

「なぜここが分かった?」

「あれから結構調べてね。情報網が出来たってわけさ」

「・・・そうか」

秀幸も撩の隣に座るとマスターにバーボンを頼んだ。
程なくして出されたバーボンを嗜みながら傍らの撩を眺めていた。
秀幸がじっと見ていることに気付いているであろうが、撩は沈黙している。

撩はZippoで煙草に火を点け大きく息を吸い込むとゆっくりと吐き出した。
そのZippoを横目で見た秀幸はそれが香からの贈り物だということを一瞬で分かった。
それは、香が事故にあう前に香が笑顔でそのZippoを秀幸に見せていたから。
それをまだ撩が持っていることが何を意味するか無言で秀幸は思いに耽る。

「撩・・・」

「・・・ん」

「香は元気にしてるぞ。いつもお前のことを気にしている」

「・・・・・」


顔色を一つ変えないで煙草を吹かす撩。


「お前を思い出すために毎日香は・・・」

「・・俺を思い出さない方が身のためだ」

「撩・・・」

「すまないが・・・もう俺には関わらないでくれ」


ガタッと立ち上がると飲み干したグラスの横に代金を置き、
足早にBarを出て行ってしまった。


・・・・・・・・・


そう簡単にあの頃の俺には戻れない。
いや、戻ってはいけない。今の俺は。
そう思いながらまた装填すると銃弾を叩き込む。


「買ってきたぞ。リョウ」

「サンキュ」


コンビニから帰ってきたミックは買ってきた物を撩に手渡し
自らもコーヒー缶を手に取り開けると一口飲んだ。


「あ、そうそうリョウ、またお前宛に仕事が来てるぞ」

「また俺宛か・・・まぁいい」

「ああ、もう少しの辛抱だ。頑張ってくれリョウ」

「おう」

「ってことで、俺はその間に可愛い子口説いてきますかねー♪」

「ははは・・・俺にもよこせよエロミック」

「自分で見つけろ馬鹿リョウ」

「んだよ・・ケチくせぇな」


撩は深い溜息をつきながら「・・・んじゃ、仮眠取るわ」と言い残し自室へ帰っていった。


「ったく、二年前になにあったんだか知らないが・・・
女のおの字も出なくなるほど女の気配なくなったよな~アイツ」


戻っていく撩の耳に届くほど大きな声でミックは言い放つ。


うるせーな・・・馬鹿ミック。
俺だってそりゃ女を抱きたい。だが・・・
目の前にするとダメなんだよ。この百戦錬磨の俺が抱けないってのはなぁ。
もう“特別なもの”を見つけてしまってから・・・

ったく・・・んなものとっくの昔に諦めたはずなのに、な。

特別なもの・・か・・・



撩は朝飯をかき込めコーヒーで流し込むと、ベッドにそのまま倒れ込み
重いまぶたを閉じ闇の世界へ墜ちていった。



     ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



「もしもし、冴子か」

『あら、秀幸どうしたの?デートドタキャンかしらぁ?』

「はは・・・そうじゃないよ。
いやさ、撩がこっちに帰ってきたんで昨日会ったんだよ」

『帰国していたのは知ってたわ。でもよく居場所が分かったわね』

「ああ、俺にも情報網があるからな・・・
それより、お前も帰国していたの知っていたんだな」

『そりゃ~伊達に刑事してないわよ。それに最近ある出来事があったのよ』

「なんだ?」


それがねぇ・・・撩が組んでいるパートナーがかつての撩と同じように
女好きで、美人を見掛けるとすぐ声掛ける奴って話を聞いてて・・・
その男とつい最近偶然道ばたで会って、案の定声を掛けられたのよ。
それが「Missサエコ、君に会えて光栄だ」なんて言うよの?
ビビッと勘が働いてね「まさか、あなた撩のパートナー?」って返したら
「ああ、そうさ。寂しくなったらいつでもオレに連絡ちょうだい♪」
そう言って名刺置いていったのよ。


『その名刺にCity Angelって書かれてたの。恐らくコンビ名ね』

「コンビを組んで仕事をしているのか」

『ええ、そうみたいね。
ただ・・最近このCity Angelっていうコンビの噂があまりよくないのよね』

「噂?」


2年前、撩は探偵として仕事をしてたけど、アメリカに渡ってからやっていた
仕事はどうも違っていたみたい。
これはあくまで噂よ?
どういうものかは知らないけど、ある裏組織に所属していて
そこで、危ないことに手を出してるそうよ。


「危ないこと?」

『おそらく、撩のあの腕ですもの・・・』

「・・・・・・・」

『あくまで噂だからね。
でも今後こっちでもなんの組織が関わっているのか調べてみるつもりよ』

「ああ・・・」


だから、撩はあの時


――すまないが・・・もう俺には関わらないでくれ。

と言ったのだろうか。

撩・・・お前一体何をしようっていうんだ・・?
香はお前を無意識にも思い続けているのに・・・
「・・俺を思い出さない方が身のためだ」
その言葉が意味することがわかった今、俺は一体どうすれば・・・


「アニキ!今日の診療はこれでお終いね」

「あ、ああ、そうだな」

「どうしたの?ボーッとして」

「いや、なんでもない」

「はっはーん・・・今日は冴子さんとデートだからだな~!」

「ははは・・・」

「じゃ、今日はあたし一人でどこかに食べに行こうかな~♪」

「ああ、そうしてくれ」



――夜8時


香は一人夕食を済ませようと繁華街に出たが、やはり一人でっていうのが
寂しいのか店に入るのをためらってしまう。


「ん~一人でも入りやすそうな所あったらいいんだけどなぁ・・・」


下を向いてトボトボ歩いていると、ドンッと人に当たってしまった。


「あ、ごめんなさい!」

「オー!スミマセーン!お嬢さん大丈夫でしたか?」

「いえいえ~!こちらこそ~!」


ふと見上げてみるとそれはこの間会った金髪の外人さん。
間近で見ると凄く長身に驚いた。
白いスーツを着ていて両手はスラックスのポケットに入れている。


「あ、あなた・・・この間の?」

「ん?ああ、君はこの間声掛けてきてくれた子だよね」

「は、はい・・・覚えててくれてたんですね」

「あはは、可愛い子はちゃーんと覚えてるよ♪
オレ、ミック・エンジェル。キミの名は?」

「槇村香っていいます」

「カオリちゃんか。可愛い名前だ♪」


香は、この間の事が頭から離れないでいた。
もう一人いた長身の男性のことだ。ミックが「リョウ」と呼んでいた人。


「あ、あの・・・・この間居たもう一人の人って名前なんて言うんですか?」

「ああ、リョウのこと?」

「はい」

「サエバリョウだよ。それがどうしたんだい?」

「冴羽撩・・・さん・・・やっぱりあの人がそうだったんだ」


口元を手で押さえ驚いた様子な香にミックは、右手人差し指を香の目の前に出し横に振った。


「ノンノンノンノン~あんなの好きになっちゃダメ。今じゃあいつも落ちぶれちまったから」

「え?」

「なにがあったんだか知らないが、女の気配もなくなったからなぁ」

「あ・・・あたしのせいかもしれないですね・・・」

「?」


香はミックに今まであった経緯を話し始めた。
初めて話す相手だが、ミックが親身に話しを聞いてくれるので
すんなりと最後まで話すことが出来た。


「すいません。急にこんな話しちゃって・・・」

「いや、いいよ?
・・・そうか、キミは記憶が一部欠損で以前のリョウのことを忘れてしまったんだね」

「そうなんですよ・・・どうしても思い出せないんです」


香は俯き右手で頭を抑えると横に振り悲しい顔を見せた。
それを見たミックは、この事が香にとってどれほどな事なのかを悟る。


「キミは、リョウのこと思い出して、それがショックな事だったらどうするんだい?」

「え・・・その・・・」


困っている香にミックは優しく微笑みポンっと肩を叩いた。


「ま、それも頭に入れておいた方がいいかもね」

「そうですね」

「あ、そうだ。カオリは夕食食べた?」

「いえ、これからなんですよ」

「お、じゃぁオレとどっか食べに行かない?もっと話をしたいしさっ」

「いいんですか?あたしも一人で食事は寂しかったので」

「じゃ、パーッと食べに行こう~!」


(よっしゃ~かわい子ちゃんゲット~♪リョウには悪いがこの子は貰ったぜ)


To Be Continued...

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テーマ : 自作小説(二次創作) - ジャンル : 小説・文学

23:20  |  ◆パラレル小説◆  |  TB(0)  |  CM(1)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

カイト様こんにちは。
お待ちしてましたよ、続きを・・・
 
やっぱりリョウは裏の世界に入っちゃったんだね・・・
でも、あのリョウが2年も女なしなんて信じられないけれど、嬉しです。だって、それだけ香一筋っう事だもんね♡。
でも・・・うかうかしてると、ミックに持ってかれちゃうよ!!。
なんか香の事気にいったみたいだから・・・
後・・・悪い組織って大丈夫?ちゃんと抜けられる?
この先、兄貴やミックが死ぬなんて事ないよね・・・不安だなぁ。

今回から不定期になっちゃったんですね・・・
でも、楽しみにしてますね・^-^・。

後ひとつ聞きたいんですが・・・海ぼうずさんと美樹ちゃんは出てこないんですか?二人の事も好きなので出して欲しいです・・・


さや | 2011年01月24日(月) 12:12 | URL | コメント編集

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