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2011.04.02(Sat)

都会の天使第二章第六話「明かされた過去」

第六話「明かされた過去」



「オレとリョウはアメリカにある施設で育った」


そこは身寄りのない子供達が住む孤児院。
そう、オレとリョウも身寄りが無く5歳までそこで育った。

だがある時、孤児院の経営が苦しくなった所長がその孤児院をある組織に売ったんだ。
それがユニオンだった。

それからがオレ達の地獄の始まりだった。

5歳未満の子供らは全員売られ、5歳以上のオレ達は厳しい訓練を強いられた。
5歳児にはキツイ事が連続で毎晩死ぬように眠っていた。

一番きつかったのは、バトルロワイヤルだ。
仲間同士で傷つけ合い勝者を決める。
そこで成績が良い奴が生き残り上へと上がれたんだ・・・

幸いオレとリョウは成績優秀で上位に入っていた。

特にリョウは海原に気に入られるほどの腕までになり、10歳になった頃
海原の右腕として裏世界に入っていた。
そして同時に海原の養子にもなっていた。

海原を親父と呼ぶように・・・いや、正確には呼ばされていたんだな。

アイツの精神力は半端無く、何があっても弱音なんて吐くことはなかった。
どんなに海原に言われようが体罰を受けようがひたすら耐えていたのが分かった。

弱さを見せたとき、そこでThe endだったからな・・・

ハタチを迎えたオレ達は、ずっとこのままじゃいけないと思い始め
海原にオレとリョウで組んで仕事をしていいかダメ元で頼んでみた。
そうすると、案外上手くいって晴れてコンビ結成となった。

だが仕事を自分たちで選ぶことは許されず、全て海原が選んでいた。


コンビ初めての仕事は、この孤児院を脱走した嘗ての仲間の暗殺だった。


流石のリョウもこれはキツイかと思いきや、冷静に・・・いや残酷なほど苦しめ殺した。
アイツは海原の毒牙に掛かっているかのようだった。
今のアイツしか知らない奴があの時のリョウを見たら恐ろしくて仕方ないだろう。


二十歳のふたり。




しばらくコンビで仕事をしたあと、オレが大きな怪我をし数ヶ月療養するハメになった。
それを機会に海原はまたリョウを手元に戻し、大きな任務を与えた。

それが日本行きだった。

目的は、日本の警察に潜り込みスパイすること。
偽りの経歴を作り、リョウはすんなり潜り込んだ。

海原の方に定期的に情報を送っていたリョウ。
オレの方にもリョウから日本の警察の動きを知らせるメールは何度か来ていた。

オレの怪我も完治し、復帰できるまでリハビリをしていた頃
リョウの心の変化が出てきたのか、海原への報告はしていたものの
オレに初めて海原への不信感を吐いていた。


『俺にとって親父は全てだったが、それが全て崩れ落ちていく気分だ』


そのメールを最後にしばらく連絡が途絶えた。
次にメールが来たのは帰国の知らせだった。


『・・・任務完了だ。そっちへ帰る』


リョウは多くを語らなかったが、同じくスパイに行っていた仲間に報告を受けていた。

アイツは日本に行って「人との繋がり、絆」を見つけ、そして大切なものを失う悲しみを
背負って帰ってきた。

次第に海原への不信感は高まり、オレとリョウは再度コンビ結成。
同じ思いだったオレ達は今までにない絆で自ら選んだ仕事をしていた。

それをよろしく思わない海原は無理矢理オレ達コンビを解散させた。
オレは海原と組まされ常に監視の目が厳しかった。

リョウはその隙を見てまた日本に行ったってわけだ。
そこで新たに探偵として事務所を立ち上げた。

それが海原の耳に入ったのは、そのすぐ後でしばらくは監視ということになった。


カオリのこと、その周りの事など色々な情報が入ってきていた。
特にリョウに関わりを持つ者を厳しく監視して変な動きがあれば抹殺の命令も下っていた。

そう、カオリにもその命令は下っていたんだ。


一度も会ったこと無かったカオリの事は海原から渡されていた資料で知っていた。
資料と共に挟んであった写真を見たオレは、恥ずかしながら一目惚れしてしまった。


カオリの情報が入ってくる度に、命令が下るんじゃないかとハラハラしていたが
それはなんとか免れていた・・・


だが二人が次第に親密になっていくことがやはり海原にとって腹立たしく思えたのか
事故を装いカオリを跳ねた。



「え?あれは、あの事故は海原の仕業だったの!?」

「ああ・・・海原の命令でこちらに居たスパイがやったことだ」

「偶然起きた事故じゃなかったのね・・・」



この事はもちろんリョウは知らない。
オレもこの事は、リョウが二度目の帰国時に海原から知らされたからね・・・


『あの女が居なくなれば、息子も心おきなく私の元へ戻ってくる』


そう言っていた。
それを聞いたとき、オレだってかなり頭に来た。殺したいほどにね。
だが、必死に感情は抑えた。


記憶を欠落したカオリを残し、アメリカに帰国したリョウ。
毎晩酒を浴びるほど飲み、毎日荒れていた。
あんなリョウを見るのは初めてだったかもしれない。

コイツをこうまで変えてしまう女に実際会ってみたいと日に日に募る思い。


リョウとコンビをまた再結成し、しばらく海原が指定する仕事を消化していると
日本にユニオン支社が出来るという話が舞い込んできた。

海原はオレに日本へ行きの話を持ってきた。
だが、オレはパートナーのリョウが居なければ行かないと断ろうとするが

海原は知っていた。いや感づいていた。
オレがカオリのことを気にしていることに・・・

それをいいことに、オレに脅しを掛けてきた。


『今すぐにでも槇村香を抹殺してもいいのだぞ?』


その言葉に震え上がり、オレは日本行きを断ることが出来なかった。

オレが一人日本に発つ朝、リョウも行くと言い出した。
理由は言わなかったが、恐らくカオリの身を案じてだったのかもしれない。
だが海原が許すはずがない。それを分かっていたリョウはアメリカでの依頼を
受けた後、海原の監視下を慎重に抜け出し一人別ルートで日本へ入国した。


行方を眩ましたリョウに激怒した海原は、直ぐさまカオリを抹殺命令を下した。
リョウはそうなることを分かっていた。
だから事前にカオリの携帯ストラップに発信器を仕込んでいたんだろうな。
それを使ってカオリを追跡し、遠くからカオリを監視していたんだろう。
そして危険が迫れば気付かれないように裏で殺し屋を始末してたってわけか・・・

アイツならやりかねない。


アイツはずっと思い続けていたんだろうカオリを。
なのにオレは裏切ってしまった・・・


「それで、海原はこれから一体何をしようっていうの?」

「恐らく・・・可愛い息子が帰ってきたんだ。リョウを利用して・・・」

「まさか?香さんをどうにかしようっていうんじゃ!?」

「ああ・・・そのまさかかもしれん・・・海原は冷酷な男だ」

「なんとかしなければいけないわ!
キャッツの二人にも連絡をして協力を要請しましょう!」

「キャッツ?」

「ええ、喫茶店でありながら裏家業もしてるのよ。
警察の私が手を出せない事件などを一挙に請け負って貰ってたわ」

「へぇ・・・あの店の店主やその奥さんは同じ裏家業だったわけね。驚いた」

「感心はいいから、今連絡してみるわ」


冴子は美樹に連絡を取ってみると・・・仕事中なのか通話音が鳴るだけで出ない。
急いでキャッツへ車を走らせた。



程なくしてキャッツ前に着いたが、店は閉まっていた。
頭を抱えた冴子はもう一度美樹に連絡をしようと携帯を取ろうとすると
丁度美樹から電話が掛かってきた。


「美樹さん?」

『冴子さん!大変よ!!』

「どうしたの!?」

『ある研究所から連れ去られてしまった研究員を連れ戻してくれっていう
依頼を急遽受けて、捕らわれていた所に行ったのはいいんだけど・・・』

「え・・・?」

『その建物は壊滅的状態でその中の地下に閉じこめられてる彼女を発見したわ』

「彼女?」

『名取かずえよ』

「名取かずえ・・・それって、リョウとミックが連れ去った・・・」

ミックを見ながら話す冴子、それに答えるようにミックは頷いた。

「名取かずえが捕らわれていた施設が壊滅的状態だったそうよ?」

「!!」

驚きを隠せないミック。

『ねぇ、冴子さん!それで彼女の口から恐ろしいことを聞いてしまったの』

「恐ろしいこと?」



『海原という男が溺愛していた息子と呼ぶ男に新薬を投与し
人間兵器と化してしまったあの男性がここを壊滅状態にしてしまったの』



「まさか、その男って撩のこと!?」

『ええ、そのまさかよ・・・』

「そんな・・・」

『冴子さん、キャッツに向かってるから、またそこで話しましょう!』

「わかったわ」



(オレがバカなことをしなければ撩は・・・!!)


「新薬・・・こればかりはヤバイな」

「ミック、その薬って一体なんなの?」

「それは、研究員の名取かずえが来てからのほうがいいだろう」

「そうね・・・美樹さん達が来てからこれからの事を話し合いましょう」



刻々と過ぎていく時間。
香は無事なのか撩は一体どうなってしまったのか
仲間たちは気が気でなかった。




to be continued...
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テーマ : 自作小説(二次創作) - ジャンル : 小説・文学

17:53  |  ◆パラレル小説◆  |  TB(0)  |  CM(1)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

カイト様こんにちは(^-^)。
「明かされた過去」読みました。
 
リョウが海原の命令で、スパイとして警察内にに潜り込んでいたなんて・・・
って事は、槇村父や、冴子の事も最初から騙してたって事だよね・・・(>0<)
日本でいろんな人と接して行く内に、きっとリョウも苦しかっただろうね・・・
香と出会い、愛する事の温かさを感じてきたのに、香の事故までもが海原の差し金なんて!海原許さない!!
人間兵器と化したリョウは大丈夫なの?香は?

キャッツの二人出てきましたね♡
海坊主さんと美樹さんが要るんだもん、大丈夫だよね。
さや | 2011年04月05日(火) 15:00 | URL | コメント編集

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