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2011.04.24(Sun)

TRIANGLE最終話「夢叶うとき」

最終話となりますので若干長いです。
2011.5.11一部英文を修正しました。





香からの連絡が途絶え、5年の月日が経とうとしていた。

あれからAngelは全米デビューを果たし、念願だった海外ツアーも行った。

それからはソロ活動になり、ミックは日本でソロアルバムを制作。
リョウはロスで海外のアーティストと組み仕事をしていた。


ロスの気候は年間を通して過ごしやすく、リョウは気に入ってよく来ていた。
そして今回もレコーディングをするため、スタジオへ向かう。


リョウはギターを担ぎながらスタジオへ入ろうとドアに手を掛けようとすると
中から男女が会話しながら出てきた。

入ろうとしていたリョウに気付いた女性は、「sorry」と軽く会釈をして
去っていった。


面影がどことなく香に似ていたその女性。

香が居なくなってから、似ている女性を見ると目で追ってしまう癖が付いてしまった。
それはミックも同じだったようで、似た女性に声を掛けまくってるそうだ・・・

俺はミックのように器用じゃねぇから、似た女ってだけでちかづかねぇな。




そして、桜が咲き乱れる4月上旬。リョウは日本へ帰国した。

マネージャーの迎えで空港を出発、都内のスタジオへ向かう。
ミックとも久々に会うことになる。


「で、マネージャー。見て欲しい物ってなんだ?」

「スタジオに着いてからミックと見てもらいますよ」

「そうか。OK」


リョウは後部座席の窓を少し開けると一服し始めた。

脳裏に浮かぶのは5年前の嵐のような出来事。


女性不信だった俺が、一人の女に惚れて、何もかも手に入れたい。

そう思った。

だが、結局俺から離れていった。

女なんてそんなもんだと思う自分が確かにいる、だが
今でも俺は・・・


――某都内スタジオ。


「よっ!リョウおひさし!」

「おう。って、お前女連れ込むなとあれほど・・・」

「いいだろ~見学だよ見学」


あれから、ミックは香が居なくなった寂しさで結構荒れてたようだ。
今は信頼できる女が出来たようだが・・・
いっつも連れてくるのはどうにかして欲しいところだ・・・


「マネージャー早く本題入ってよ」


ミックの言葉にマネージャーが取り出したのは一本のDVD-R。
それをデッキに差し込み映像が流れ出した。

その映像は、今アメリカで大人気のオーディション番組のものだった。
俺らへプロデュース依頼が掛かってるヤツが出ているそうだ。

早速そいつが歌い始めた。遠目からなのでよく見えないが女のようだ。


曲は、海外アーティストのものだ。
これは結構な声量がないと曲負けしてしまうところだが・・・

歌い出し・・・


「凄げぇな・・・」

「うん、あの広い会場で声が行き届いてる」


歌い終わり結果発表に移る、すると見事に合格し彼女は飛びはね喜んでいる。

・・・だがその子をよく見ると誰かに似ている。


「この子さ、カオリに似てない?」

「・・・お前もそう思ったか」


髪型はあの頃よりだいぶ伸びてて、化粧もバッチリ、帽子もかぶっているため
本人かどうかはよく分からないが・・・

番組の司会者がその子に向かって“Kaori”と言っているのが耳に入った。


コンコンコン・・


「どうぞ、入ってください~」


マネージャーの声で中に入ってきたのは、先ほど歌っていた彼女その者だった。



「初めまして、Kaoriといいます。宜しくお願いします」

「!!」



"Is that you, Kaori?"
「お前・・・香だよな・・・?」

"...Ah....Yeah"
「・・・あ、はい。」

"Oh my godness, Kaori... I can't believe it is really you."
「おぉ・・・カオリ、まさか本当に君だったなんて信じられない」

I'm sorry. I never thought I'd see you again like this."
「ごめんなさい。まさかこんな形で再会するなんて・・・」

"It's over. Don't be sorry."
「もういいさ。気にしないで」



3人以外英語が出来ないため、会話の内容を理解することは出来ない。
それを分かっている3人は普通に話す。

話を聞けば、香はあれから語学留学へ海外に飛び、夢であった歌手を
目指すため、語学を学び歌手としてのレッスンを受けたそうだ。

そして海外のオーディションに何度も出て失敗を繰り返し
先ほどの番組でやっと花開いたそうだ。

その番組を見た日本の音楽関係者が俺達にプロデュースさせてはどうかと
話が持ち上がって、今回こういう形で顔を合わせることになった。

プロデュースの話は前々から来ていたのは分かっていたが、まさかそれが
香のことだとは知らなかった。
女性シンガーとしか聞いてなかったしな。



そして、今後のスケジュールとどういうプランで行くか3人で遅くまで話し合った。

気が付けば、結構な時間になっていてミックは彼女を送りに先に出て行った。
香のマネージャーは帰り支度をして待っている。


「マネージャーも待ってますし、明日早いのでそろそろ帰りますね」

「ああ、分かった。結構長くかかっちまったもんな」

「あ、あの・・・」

「ん・・・?」


マネージャーが居るのでまた二人しか分からない英語で話し始めた香。


"I'm really sorry for what I did five years ago."
「本当に5年前は・・・ごめんなさい」

"Don't worry. It's all water under the bridge."
「ん・・・気にするなって。俺はもう忘れた」

"Yeah.... I understand...."
「そうですよね・・・忘れましたよね」


「んじゃ、帰るぜ」

「そうですね」

「じゃ、また、曲が仕上がり次第連絡入れるから」

「はい、お疲れさまです」





香は一人タクシーに乗り、現在借りている自宅マンションへ帰っていった。

自宅に着くと早速シャワーを浴び疲れを洗い流す。


――俺はもう忘れた。


リョウの言葉が身に染みる。


自分から離れておきながら、どこか期待してるところがあった。


「でも、もうそんな甘くないよね・・・」


リョウは女性不信って言ってたし、こんなあたしではもう振り向いてくれない。

ミックもあたし以上に素敵な女性に巡り会えたようだったし・・・


「これで良かったのよ」


そう自分に言い聞かせ、その日はすぐに眠りに付いた。




翌日からボイストレーニングや筋力トレーニングをそつなくこなした。
曲が出来上がるまでの期間、サボることなく一生懸命やる姿に
マネージャーも影で支える。


そして、待ちに待った曲が出来たと連絡が入りマネージャーから知らせを受けた。

その日にAngelが待つスタジオへ行き、出来上がった曲を試聴。
そしてその曲にはミックが詩を付けていた。


「わっ・・・これ凄くいいです!」

「お前に合った曲を考えたらこんな感じになったんだが
気に入ってもらえたなら良かった」

「はい、凄く気に入りました!
ミックさんの詩も凄いこの曲に合っていて、あたしにはもったいない!」

「あはは、そんなことないよ。君をイメージして書いたんだから」

「ありがとうございます!」


ミックの言うとおり、歌詞の内容は香を思い起こさせる仕上がりになっていた。
アップテンポのメロディに合わせてその詩が入ると違和感なく入り込める。

香はブースに入り、一度曲に声を合わせてみることにした。
コーラスは豪華にミックがすることに。


その後、数回取り直しを繰り返しリョウは編集を行った。
そして出来上がった。Kaoriとしてデビューする曲だ。


PVもAngelの二人に参加してもらい、瞬く間にKaoriの名は広まっていった。


お披露目ライブの日取りも決まり、友人らを招待した香。
もちろん、プロデュースしたAngelの二人も応援に駆けつけた。

ライブ当日は、人が集まるか心配だったがAngelの二人が来る事もあって
結構な数が集まった。その事に驚き震える香。

まさかこの舞台に自分が立つとは思っても見なかった香。
自分が見ていた側だった事を思い出し緊張してしまう。


そうここは、Angelのライブに始めてきたときの会場だった。

偶然出会った場所でもある。


思い出深い場所でお披露目ライブが出来て内心嬉しい香。

辛い思い出もあったが、今はそれよりも夢が叶おうとしているその事に
嬉しくて堪らないでいた。



――ライブ1時間前の楽屋


香は一人歌詞の確認をしていた。

すると、そーっとミックが楽屋に入り香のすぐ後ろで「わっ!」と脅かせてみせた。

「うわぁ!な、な、なんですか!?」

香はオドオドと周りを見てみると真後ろで笑うミックを発見した。

「もっ、もぉ~!ミックだったのね!?」

「あっはは、面白いカオリちゃん♪」

「ちょ、もぉー!」と香は恥ずかしそうに言いながら勢いよく立ち上がった。

するとミックがガバッと後ろから香に抱き付いてきた。


「ミ、ミック?」


もう少しこうさせて。



「ごめん・・・ちょっとこうさせて・・・」

「どうしたの?ミックにはあんな美人な彼女いるでしょ?いいのこんな事・・・」

「キミから連絡が途絶えてから、オレはキミの影を追いかけ似た子が居れば
いっつも声を掛けてたよ・・・」

「・・・・ミック」

「で、知り合ったのが今付き合ってる子。だけどキミに面影が似てるからと言っても
キミではない。最初は悩んだよ。でも5年ぶりにキミに会って分かった・・・」

「オレはずっとキミが好きだった」

「え、それじゃあ・・彼女は?」

「いや、キミが好きだったが、これで踏ん切りを付けてあの子だけを見る。
キミの影じゃなくあの子自身をね」

「・・・うん、彼女と幸せになってね。あたしのことで色々ごめんね」

「いいよ。それにキミはもう心に決めたヤツいるんだろ?」

「え・・・!?」


思い当たりまくる香は顔を真っ赤にしてオドオドする。


「やっぱりね・・・
リョウのこと幸せにしてやってね。あいつ、女で色々苦労してきてるからさ。
それにキミとリョウなら絶対相性いいと思うよ♪オレが保証する!」

「ミック・・・ありがと」

「オレのほうこそありがとう。キミに出会えて良かったよ」


その言葉に香は込み上げる涙をグッと堪え、震えた声で「あたしもよ」と言った。


その後、準備が調った3人はステージ裏に集合。
サポートメンバーと共に気合いを入れ幕開けとなった。


ライブは『Kaori with Angel』となっており、冒頭はAngelが2曲ほど歌い
その後、香が舞台に上がりデビュー曲を熱唱した。


リョウのギターも熱が入る。いつもは微動だにしないリョウも今回は
香の横に行きギターの音色を奏でる。


Angelと香



リョウの表情や行動に変化を感じたファン達は驚きざわめく。
今まではストイックなまでに無表情だった彼が今や生き生きとしているからだ。

香の友人達も堂々と歌う香に驚きと共に魅了されていく。

親友の絵梨子は、香の夢を留学前に知らされていたが
まさか、本当に夢を実現させてしまうなんて思っても見なかった。

ステージ上では香が曲の間奏中にギターを弾くリョウに寄り添い
リョウにだけ聞こえる声で「夢叶ったわ!あなたとのステージ!!」

その言葉にリョウは香を見ると輝く笑顔で自分を見ていてくれてることに気付いた。
一気に溢れる想いにギターへ感情がこもる。


その音色は誰しも今まで感じたことのない物だった。




無事に香のステージは終わり、その後Angelの二人が取りを務める。
香もまた呼ばれ3人でステージを終えたのだった。

ライブも大盛況で幕を閉じた。




   ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※




「カオリ!いいステージだったよ!」

「ありがとうです!皆様のおかげで無事終えることが出来ました!」


その後の打ち上げも大いに盛り上がり、普段飲まない香だがミックや
リョウと今後の話も含め楽しく飲んでいた。
夜遅くまで続き、途中ミックは彼女を送っていくと言って出ていった。
スタッフ達も翌日の仕事のために切り上げ打ち上げは解散となった。

最後に残ったのはリョウと香だけだった。


「さて・・・帰るか」

「そうね。じゃぁ、あたしはタクシーで帰るから、お疲れさま!」

「まて」


帰ろうとする香の腕を掴み呼び止めた。


「ん?リョウ?」

「俺の車で送るよ」

「え、でも・・・いいの?もしまた撮られたりしたら・・・」

「いいからっ」


腕を引っ張り強引に駐車場へ向かった。


「痛いってばっ」

「あ、すまん」

「うふふ・・・リョウって相変わらず強引だよね」

「そ、そうか?」

「うん」


駐車してある車に乗り込み地下駐車場から走り出した。
車内では香のデビュー曲を流し、曲が出来上がるまでの話で盛り上がった。

まさか、出会ったあの時にこういう風に同じ立場で音楽の話をするとは
二人は思いもしなかった。
だが、こうやって好きな音楽の話をする事がとても心地よく
ずっと話していたい気分になった。


「はぁ、今日はありがとうね。楽しかったよ」

「ああ、俺も久々に楽しかった」

「また、一緒に出来たらいいなぁ」


香は「そろそろ家に着くかな?」と外を眺めると、違う眺めに違和感を感じ
リョウに自宅マンションの場所はここじゃないと言うと。


「ん・・・俺のマンション来るんだろ」

「え・・・えぇ?」

「なに、驚いてんだよ。まだ話し足りねぇし。俺の所泊まれよ」

「え、でも・・・こんなところ撮られたらリョウあなたがヤバイんじゃないの?」

「俺は気にしねぇ。相手がお前なら尚更な」

「う・・・そ・・・?」

「マジで」


信号が赤になり停車すると同時にリョウは香にKissをした。


「マジでお前が好きなんだ。5年前からずっと想っていた」


その言葉を言うとまた車は走り出す。

両手で口を押さえ大粒の涙を流しながら震えた声で「あたしもよ・・」
と香も想いを伝えた。


ここまで辿り着くのに長かった時間は、一瞬にして埋められてゆく。


リョウの自宅マンションへ着き、部屋に入ると同時に抱き合う二人。
5年間の想いをぶつけるように甘く激しくKissを繰り返した。


「ねぇ、リョウ?」

「ん?」

「あたし・・・5年前日本を発つとき、偶然またどこかで出会ったら
赤い糸信じてみようかな~って思ってたの」

「ああ・・・」

「それで、あなたとの3度目の偶然があったってわけ」

「3度?2度じゃなかったか?」

「うふふ・・・リョウは気付いてなかったのね」


本当に結ばれた二人



そう、あのロスのスタジオで一瞬だけどすれ違った。
顔を見合わせることも言葉を交わすことも無かったけど・・・
でもあれが“赤い糸”を示すのかなって思うようになった。


「出会えて良かった」



二人はこの先も仕事やプライベートで共に歩んでいく・・・




The end


【あとがき】
TRIANGLE完結しました!
なんだか思い入れの深い作品になって私も気合入れて
最終話書きました!挿絵も頑張った!!
ここまでお付き合い頂き本当にありがとうございました!


【Special Thanks】
愛ぼんさんには、英訳を手伝っていただきました!
ありがとうございました!!



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テーマ : 二次創作:小説 - ジャンル : 小説・文学

15:35  |  ◆パラレル小説◆  |  TB(0)  |  CM(1)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

こんにちは、最終話よみました。

香の夢はシンガーだったんですね♡
5年たった香はきれいな女性になってましたね。
そして・・・リョウは、さらにワイルドになってカッコよくなってた♡
今回のツーショットの絵素敵です^-^。
歌ってる香&ギター弾いてるリョウ・・・本当にお似合いだ~♡
ハッピーエンドでよかったです。

次回作も応援してますね(^-^)
さや | 2011年04月25日(月) 17:13 | URL | コメント編集

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