2017年04月 / 03月≪ 123456789101112131415161718192021222324252627282930≫05月
--.--.--(--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:--  |  スポンサー広告  |  EDIT  |  Top↑
2011.05.25(Wed)

都会の天使第二章 第十話「不安と希望」

9話決戦へ出発後の香の視点から始まります。


第十話「不安と希望」




明け方に撩が出て行ってから、あたしは一人ベッドで泣いていた。
絶対帰ってくるって気持ちはあるけど、どこか不安で仕方なかった。


撩が出て行ってから香はいつの間にかまた寝ていて、次に起きたのは3時間後だった。


「ん・・・・」


陽の光がカーテンから差し込み眩しい。

撩のマクラに顔を埋めて匂いを感じまた瞳を潤ませる。
また泣きそうになり頭をブンブン振ると勢いよく起きあがり、顔を洗いに洗面所へ。

薄明かりの中見る洗面所の鏡には目が真っ赤な自分。
ふと右首筋を見ると赤い小さな斑点があることに気づき、昨夜のことを思い出した。


――お前の首に俺の印入れておいたから、帰るまで大事にしとけよ?


その言葉が脳裏に浮かぶ。
それを右手で押さえ「こんなのあったら恥ずかしくて外行けないよ・・」
と照れ笑いして撩の愛を噛み締める。

香は顔を洗いサッパリすると持ってきた私服に着替え首には一応ストールを巻いた。


「これで、よしっと・・・さて、キャッツに行ってみようかな?」


引きこもっていたらまた落ち込んでしまいそうだから気分転換にと出掛けることにした。
撩の部屋にもう一度行き、ベッドのサイボードに置いてきてしまった携帯を取ろうと
手を伸ばすと、本の下に見覚えのある箱がチラッと見えた。


「あれ?これって・・・」


重なった本をどけて箱を取り出してみると、それは自分が前撩にあげた
誕生日プレゼントの物だった。
驚いてフタを開けてみると中身は無くメッセージカードだけ残っていた。


「撩・・・あたしが渡しそびれたあのプレゼント受け取ってくれてたんだね。良かった」


ずっと気になっていたあのZIPPOの行方が分かって安心した香。
今も手元で撩のお守りになってくれてるかな?と思いつつ、出掛けていった。



カランカランカラン・・・


「おはようございます~」

「あら~香さん、おはよう♪」


香は、カウンター席に着きいつも居るはずの海坊主が居ないことを
不思議に思い、美樹に聞いてみる。


「あ、海坊主さんももしかして行ってるんですか?」

「あ、うん、そうよ」

「そうですか・・・心配ですね」

「ふふっ、彼なら大丈夫よ♪」

「心配じゃないんですか?」

「心配だけど、私が信じてあげないといけないと思うのよ。
それに、ここを守っておいてくれってファルコンに言われてるしね!」

「そうなんですか」

俯き加減でションボリしてる香にコーヒーを差し出す。

「冴羽さんなら大丈夫よ。帰ってくるって約束してるんでしょ?」

「え、ええ。でも、あたし怖くって・・・」


その時、またキャッツの扉が開きベルを鳴らし入ってきたのは・・・


「かずえさんじゃない~!お久しぶりね!」

「美樹さん、香さん、お久しぶりです」


かずえも香の隣に座ると、差し出されたコーヒーを一口飲む。


「ふぅ・・・やっぱここのコーヒー飲むと落ち着きます・・・」


かずえの一言に美樹が敏感に感じ取る。


「・・・もしかして、かずえさんも待ち人かしら?」

「えっ・・・」


図星な表情に美樹が確信を持つ。
そして香もそんなかずえを心配して覗き込む。


「かずえさんももしかして誰か待ってるんですか?」

「え・・ええ・・・待っているわ。約束したの・・帰ってきたらデートしようって」

「ははぁん・・・もしかして、ミックさんかしら?」

「え!?なんで分かったんですか!」


慌てるかずえにクスクス笑いながら「だってぇ~他に誰が居るのよ~」
そう言って美樹が微笑んだ。
香も最初はミックの名にビックリしたが、かずえの表情に本気で好きなんだと
いうことが分かり、自分と共感できる仲間が出来て嬉しくなった。


「じゃあ、あたし達みんな彼の帰りを待ってるって事なんですね!」

「そうね!」

「か、彼氏ってわけではないのよ?まだ返事してないので・・・」

「あら、そうなの?あなた達お似合いじゃない!ねぇ~香さん♪」

「うんうん!お似合いですよ!」

「無事にみんな帰ってきたら、トリプルデートしましょうよ♪」

「あはは、美樹さんそれいいですね!」

「もう、まだ私達は・・・////」


女性3人で盛り上がり、不安な気持ちをなんとか抑える。


だが、香の心の中は撩の事で頭がいっぱいだ。
顔は笑っていても空元気で、見送ることも出来なかった今朝を思い出す。


いっぱい触れていたかったけど・・・無事帰ってきたとき
撩はあたしのことちゃんと見ていてくれるかな?触れてくれるかな?

グルグルと同じ事が繰り返し頭を過ぎる。

美樹は香が空元気なのを見抜いていて「香さん、何かあったの?」と聞いてきた。
その言葉に驚いた顔を見せる香。
図星だと分かった美樹は「話してみない?」と持ちかけた。


「んーっと・・・」


ここへ来るまでの経緯を話して聞かせた。


「そっか~・・冴羽さん、香さんに触れることもしなかったのか~」

「う、うん・・・あたしのこと想っていてくれてるのかな?って・・・」

「大丈夫よ。冴羽さんあなたに出会ってから凄い変わったもの」

「変わった?」

「ええ、全然やりもしなかった携帯メールバンバンするようになったし、
ナンパもしなくなったんじゃないのかしら?」

「そういえば、撩と二度目に会ったときナンパしてたっけ・・・」

「好きな人が出来ると一直線タイプなのかもね冴羽さんって」

「そうなんですかねぇ」


美樹に話しを聞いてもらい、香も少しは気持ちが落ち着いてきた。



大分外も暗くなり始めてきた。
香やかずえも店のテレビをボーッと見て過ごしている。


と、そこへ美樹の携帯が振動で着信メールを知らせる。
二人に気付かれぬよう、そっと見てみると・・・


「香さん、お兄さんからメールで撩のアパートにいるから
ちょっと来てくれって言ってるわ」

「え?アニキが?こっち来ればいいのに・・・
それになんで、あたしにメールしてこないのよ~」

「さ、さぁ~あはは~」

「分かりました。行ってみますね」


香は美樹に言われたとおり、撩の自宅アパートに向うためキャッツを出て行った。


「うふふふ・・・♪」

「美樹さん?」


数十分歩き、撩の自宅アパートに着いた香。
キョロキョロ周りを見渡してみるが・・・


「あれ?アニキいないじゃないの・・・」


アパートの入り口の方を向いてボーッと突っ立って待っていると、後ろから声が聞こえてきた。


「香」

「え?」


聞き覚えのある声にビックリして振り向こうとした瞬間、後ろから抱き寄せられた。


「りょ、撩!?」

「ただいま、香」

「お、おかえり・・・撩!」


一頻り互いの温もりを確かめ合い、香が振り向いて顔を見ようとすると
撩がその唇を塞いだ。


勝利のキス



その瞬間ボロボロ涙が溢れ出る香。
涙を指で拭い取ってやりながら唇を離した。

撩は無言のまま香の肩を抱くとアパートへ入り、リビングのソファーへ腰掛け
そこで香は初めて傷だらけになった撩の姿を見て驚いた。


「こんぐらい、どうってことねぇよ。お前の顔見て元気になったしな!」

「えへへ・・・あたしも撩の顔見て安心したよ」

「んじゃ、俺、汗臭いからシャワー浴びてくるな」


汚れた身体を洗い流すためにシャワーを浴びに行った。


香は撩の着替えを寝室のクローゼットから出し風呂場へ持って行くと
もうそこには撩が上がっていて、全裸の撩にビックリした香は着替えを渡すと
慌ててその場から離れようとした。


「待てよ」

撩は香の腕を掴み呼び止めた。

「え、で、でも・・・」

顔を真っ赤にして撩を見れないでいる香に撩はグイッと腕を引っ張って
抱き寄せ熱いキスを浴びせ付ける。

突然のことに目を開いたまま驚く香。
そんな香に撩は唇を離し「キスするときは目を閉じないとダメだぜ?」
そう言って閉じさせるとまたキスを繰り返した。

そのまま抱きかかえ寝室へ連れて行きベッドに押し倒した。
組み敷いた状態でまた何度かキスをした。

香の首に巻いてあるスカーフをするりと取ると薄く残った赤い花が見えた。
それを見た撩は口角を上げ微かに笑うと、またそこに吸い付き赤い花を咲かせた。

「ははっ、これでまた俺の物だ」

「もう、あたしは物じゃないぞ!」

文句を言いながら顔を真っ赤にしている香。

「じゃあ、俺の女!」

「そんなことしなくたってあたしは撩の彼女でしょ!」

自分で言った言葉にボンッと赤面してしまう香が可愛くて仕方ない撩。
そしてまたキスを繰り返し、絡み合い互いをさらけ出していく。


やっと、素直に互いを求め合えるようになった二人。

これまでの出来事など全て洗い流してしまうくらい溶け合う互いの汗。

香にとっての初めての夜・・・そして撩にとっての初めての愛。

色々な想いが入り交じって甘い夜が過ぎていく・・・





カランカランカラン・・・


「ふぅ~やっと終わったわ・・・」

「ご苦労様!冴子さん!」

「美樹さん、ファルコンもお疲れさま~!
・・・あれ?撩とミックは?」

「ミックさんは、かずえさんと早々に出て行ったわよ。
ミックさんったら、ちゃっかりかずえさんナンパしてたようで
かずえさんも満更じゃなかったわよ~うふふ。
それと、撩は・・・言わないでも分かるわよね~♪」

「あ~あ、みーんなラブラブなんだから~」

「ふふ、冴子さんだってラブラブなくせにぃ~♪」

「そ、そんなことないわよ!」

「ほら、彼来てるわよ!」

「え?ちょっ!」

冴子は美樹に押されボックス席に行くと、そこには秀幸が座っていた。

「ひ、秀幸?」

「おかえり、冴子」

「あ、うん・・・ただいま」

秀幸もまた危険な仕事に関わる冴子のことが心配で仕方なかった。
無事に帰ってきた彼女と一言二言会話すると、キャッツを出て行った。

「うふふ・・・ファルコン?そろそろお店閉めましょう?」

「あ、ああ。そうだな////」




――午前3時。


月明かりに照らされる彼女を見つめる撩。

初めての行為に疲れてしまい自分の腕の中でグッスリ寝入ってしまった。
そんな彼女のことが可愛くて何度も額にキスを落としている。



香・・・・

あの時、脳裏にお前の声が聞こえたんだ。

“撩、あたしも愛してるよ”

その言葉で覚醒した俺は、迫ってきた海原を阻止できた。
あの言葉が浮かばなければ、俺はまた狂気になり死んでいたかもしれない。

お前はホント俺の恩人なんだぜ。


「サンキューな香」


額にキスをまたすると、抱き寄せ眠りに付いた。




To Be Continued...


スポンサーサイト

テーマ : 自作小説(二次創作) - ジャンル : 小説・文学

07:10  |  ◆パラレル小説◆  |  TB(0)  |  CM(1)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

こんにちは、第10話読みました。
 
よかったね・・・みんな無事で。
ファルコンと美樹、そしてミックとかずえ、槇村兄と冴子、誰一人欠かすこと無くみんな戻ってきて本当によかった(^-^)
りょうと香も、やっと結ばれたものね♡。
いろいろあって、悲しい時期もあったけど・・・二人にとっては良かったのかもね。
これで後は・・兄貴と冴子の結婚式かな~
私個人としては・・・兄貴と冴子の結婚式が見たいな~
妹の幸せを第一に願ってきた分、今度は早く恋人の冴子と幸せになってほしいです。
さや | 2011年05月26日(木) 13:54 | URL | コメント編集

コメントを投稿する


 管理者だけに表示  (非公開コメント投稿可能)

▲PageTop

Trackback

この記事のトラックバックURL

→http://lunameru.blog51.fc2.com/tb.php/151-4963f594
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック

▲PageTop

 | BLOGTOP | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。