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2004.03.05(Fri)

ほんの一瞬でも・・・

セイラ編、香が目覚めるまでのお話。短編です。
BGMは「THE SHINING OF CAT'S EYE」をお勧めします~
せつなーい曲っす。




暖かい日差しが差し込む部屋でスースーと寝息を立てている。
香は強力な催眠術のせいなのか、あの原爆を止めた後からずっと眠ったままだ。

「今日で3日目か」
撩はベットで眠る香を見つめながら呟く。

数時間前まで、コイツはテロリスト集団のブラックアーミーの
リーダーをしていたんだよな・・・
操られてたとはいえ、あんな思いさせてしまってすまん香。

コンコンコンと部屋の戸を叩くと美樹が入ってきた。
「冴羽さん・・・香さん今日もまだ目覚めないのね」
「ああ」
「・・・・・そうだわ」
「眠りから覚めるために、香さんに話しかけてみてはどうかしら」
「話しかける?」
「ええ、そうよ。香さんにとって冴羽さんの声は刺激になるんじゃない?」
「え、俺の声で~?んでも、何を話しかけていいのやら・・・」
「そんなの簡単じゃない。冴羽さんの想いを伝えればいいのよ!」
「それじゃ、私はお邪魔になっちゃうからお店に戻ってるわね」
「え、あ・・ああ」

なんだよ、美樹ちゃん言いたいこと言ってサッサと出ていっちまった。
にしても、香に話しかけるとか・・・何を話せばいいんだ?

「うーむ・・・。なあ香?美樹ちゃんが何か話せとか言うんだぜ
毎日顔合わせてるってのに、そんな話すことないよなあ」
すると香が一瞬笑みを浮かべた。
「!?」
「香?起きてるのか?」
話しかけてみたが、ぴくりともせず未だ寝息を静かに立てている。
やっぱりこんなんで起きるわけねーよな・・・
そう思いながら香が眠るベットの端に座り、もう一度話しかけてみる。
「なぁ香。早くお前のまじぃ飯食いたい。だから早く起きてくれよ」
少し照れながら香の髪を撫でてやる。

撩は頭を撫でるのをやめ、低い声で話し始めた。
「香・・・今回はマジで俺がすまなかった。
一歩間違えたら、お前はその手を汚していたかもしれないのに」

今回の件でも、やっぱり俺の側に置いておくべきじゃないのかと
また色々考えちまってる。
裏の世界に居させるのは間違っている。それは何回考えても同じだ。
だが、そう思ってもいつまでも香を側に置いている自分が居る。
初めの頃は情も確かにあったが、今は・・・

「香?俺と一緒に居るとまたお前を傷つけ悲しませることになると思うんだ。
今までも色々あったよな?」

すると香の目からぽろぽろ涙が溢れてきた。
撩は驚いて「香!?」と言ってみるがやはり反応はない。
まるで香の心が硬く閉ざされて開かないみたいに・・・
好きだった男が他の女と寝てたという事が香にとってショックな出来事だったんだろう。

「そうだよな。ルミって子の事でも怒ってるよな。
あの子とは何もなかったんだ。信じてくれ香・・・」

溢れる涙を右手で拭い取ってやると、その手をギュッと香が握ってきた。
「あちゃ、つかまっちまった。さーすが香ちゃん。
世界一のスイーパーの撩ちゃんを捕まえられるのは、お前だけだもんな」
撩はフフと笑みをこぼすと、悲しげな表情を浮かべる香にあの時のような
キスを数秒間した。
撩もあの時の切ない気持ちが蘇るような悲しげなキス。

あの時・・・新宿最後の日になったかもしれない日に言ったセリフは俺の本心だ。
お前と死ねるなら本望と思った。
お前が目覚めれば、この想いもまた閉じこめて生きていかなければならない・・・
けど、今だけこの瞬間だけでも俺に言わせてくれ。
あの時言えなかった想いを・・・

ryo5_22.jpg


「愛してる・・・」

撩は誰にも聞こえないくらい小さく呟くと部屋を出て行った・・・


その日の夜、香は目を覚まし撩の心はまた固く閉ざされ
いつものふたりに戻っていった。



撩の切ない想いがこもった短編です。
読んでくれてありがとうございました。

拍手いつもありがとうございます。
コメント、拍手、メールでいつでも感想お待ちしてます。
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