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2010.09.23(Thu)

都会の天使 第二話「気になる奴」

第二話「気になる奴」


あれから一ヶ月後・・・


ある日の夕方、香はいつものように夕飯の買い物に出ていた。

「さてと、今日は何を食べようかな。アニキの好きな物でも作ろうかな」

そんなことをボソボソと呟いてると遠くの方から何やら聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「もっこりちゅわーん!ボクとお茶しなーい?」
「そこの子もどう~?」

その男はニヤニヤと顔が緩みまくりながら女性をナンパしていた。

「あ、あれって・・・まさか撩!?」

そう思って一瞬声を掛けようと思ったのだが・・・なんせ鼻の下が伸びきったナンパ野郎に
声を掛けるのも気が引けたので、一旦取りやめ様子を見ることにした。

遠くの方から追いかけることにした香。
見失わないように早歩きで跡を付けていると・・・
撩がとあるビルに入っていったのが見えた。

(どうやら、ナンパは失敗に終わったようだ・・・)

香も急いでそのビルに入ると、正面にあるエレベーターが3階で止まっていたので
階段で3階まで駆け足で上がっていった。

「はぁはぁはぁ・・・疲れた・・・あたし何やってるんだろ・・・」

そう呟きながらも3階へ到達。
ソーッと通路を出て撩が入って行ったであろうその場所は、探偵事務所だった。

「え?探偵事務所・・・?」

ドアの前でウーンと考えていると、人が出てくる気配気づき、香は焦って階段の方へ走って隠れた。
ソーッとドアの方を見ると、撩がそこから出てきて「助かったぜ」と軽く手を振っているのが見えた。
「なんか調べてもらってたのかな??」ボソッと呟くとエレベーターで下りていった撩をまた追いかける。

「ああーん、もう今度は急いで階段降りないとじゃないか~!」

トントントントンと軽快に階段を下りながら呟く香。今日に限ってヒールが高いので足が痛い。
「ふー!やっと一階だ~」と呟き外を出るとそこに撩の姿が見当たらない。

「あ、あれ?もうどこかに行っちゃったのかな?」

ションボリしていると背後から声が聞こえてきた。

「だーれ探してるのかな?」
「え?」

香が後ろを振り向くと、そこには撩が突っ立っていた。

「りょ、撩!」
「よっ、どうしたんだ?こんな所で」
「どうしたんだじゃないわよ!急に居なくなるんですもの」
「え?俺が居なくなって寂しかったのか?」

両手をジーパンのポケットに突っ込んだまま香の顔を覗き込み口角を上げてニヤリと笑う撩。

「も、もう!何言ってるの!」

口をとんがらせて顔を真っ赤にしている香に撩は「フフ・・・」と笑みをこぼした。

「にしても、一声掛けてくれてもよかったんじゃない?」
「わりぃな」
「んもう・・・。でも、こうしてまた撩に逢えて良かったわ」
「物好きだねぇ。こんな俺にまた逢えて良かっただなんて~」
「そう?」
「ろくでもない人間だぜ、俺は」
「ふふーん」
「なんだよ」
「ならさ、そのろくでもない人間が何やってるのか一緒について行っていい?」
「あんだよそれ」
「いいでしょ?」

今度は逆に撩を覗き込んで上目遣いで見つめる。

・・・この女、その仕草無意識でやってるのか?
無邪気にも程があるぜ。
撩は香の仕草にまた胸の高鳴ったが、気のせいだと自分に言い聞かせ
言い寄る香に「ほいほい」と返事をすると、すたすたと足早に歩いていった。
そのスピードに香はついていくのがやっとで、足を痛そうにしていた。

「あん?お前足痛いのか?」
「ちょ、ちょっと足を挫いたみたい・・・」

撩を追ってビルの階段を駆け上がったときに足を挫いていたようだ。

「おいおい。しょーがねーなぁ」
「え・・・?えええええええ??」

撩はひょいっと香を持ち上げ軽々とお姫様抱っこをして、また歩き出した。

「ちょ!ちょっと!降ろして!一人で歩けるって!」

ジタバタジタバタと足を振って抵抗をするも、撩の腕の中にすっぽりと収まっていて
抜けられそうにない。

「なーに言ってるの。こんな足じゃ俺の歩く速度に追いつけねーっしょ」
「・・うぅ・・・・」

男に初めて抱っこされた恥ずかしさと、他の歩行者にジロジロ見られる恥ずかしさが
ごっちゃまぜになって、香の心臓がオーバーヒートおこしそうだ。

「おいおい、大丈夫か?顔が真っ赤だぜ?」

ニヤニヤと笑いながら香の顔を覗き込む。

「う、うるさいわねー!こんな人通りがある中で抱っこするからでしょーが!」
「あっはは!もうちょっとの辛抱だぜ香ちゃん」
「え?」

そう言ってしばらく歩いていると、一軒のアパートに辿り着いた。

「ここ、俺の事務所兼自宅アパートなの」

事務所と言ったものの看板らしき物は見当たらず、普通のアパートがそびえ立つ。

「事務所って言っても、看板ないじゃん?」
「ああ、表では活動してねーからな」
「え?表??」
「まぁ、気にすんな」
「??」

香を抱っこしたままアパートに入りリビングに行くと、そこにあるソファーへ香を降ろした。
痛そうにしていた足に撩はテーピングをすると、少しは足を楽に動かせるようになった。

「あ、ありがと・・・撩」
「ん・・・ああ」

少し無言が続いた後、香が気になっていたことを口にする。

「ねぇ?撩・・・聞きたいことあるんだけどいいかな?」
「なんだ?」
「あのさ、さっき事務所って言ってたけど、撩ってなにやってるの?」
「・・・探偵だぜ?」
「そうなんだ・・・」
「なんだ?他にも聞きたそうだが?」
「あ、うん・・・
あの、あの時大けがしてたけど、あなた銃弾を数発受けてたんでしょ?
探偵のあなたが何で銃弾を受けるような危険な事してたのかなって・・・」
「んー・・・あれは、冴子に散々な目に付き合わされてなぁ」
「冴子さん?冴子さんってアニキと知り合いの?」
「ああ、そうだ。
まっ、いつものことだ。俺は気にしちゃいないがな」
「冴子さんを知ってるってことは、あたしの父親も知ってるの?」
「あ、ああ・・・知ってる」
「そっか・・・でも、なんであたしは撩のこと覚えてないんだろう?」
「・・・フッ。おまぁ小さかったしな。それに・・・」
「それに?」
「ん・・・いや、なんでもない」
「なによそれ」

・・・それに、実際には本当は顔を合わせていない。
前に「小さい頃に会った」と俺は言ったが、本当はお前が15の時に初めてあったんだ。
お前の親父さんが亡くなった年だ。
遠目でお前の姿を初めて見たんだぜ・・・

5年前の事をふと思い出しながら、撩は香にコーヒーを淹れようとキッチンへ立った。
と、そこへ香が後ろから覗き込んできた。

「撩?コーヒーあたしが淹れようか?」
「ん?おまぁお客さんだろ?じっとしてろよ。足もまだ痛いだろうし」
「ううん、大丈夫。それより、あたしが淹れてあげるよ?」
「そこまで言うなら、お言葉に甘えて淹れて貰っちゃおうかな」
「おし!おいしーの淹れてあげるよ♪」

香は撩のキッチンを借りてお湯を沸かしコーヒーを淹れてあげた。

「はい、どーぞ」
「サンキュ」
「どう?」
「お、うめーじゃん」
「でしょー♪父直伝なんだ♪」
「そうなんか・・・」

そーいや、この味・・・親父さんの味に似てるわ。

「んじゃ、もうそろそろ家に帰れ!」
「え?なんで?」
「なんでじゃねーよ!男の一人暮らしに女一人で来るとかさ。
お前襲って欲しいわけ?」
「ちょ、ちょっと!連れてきたのはあなたでしょ!」
「あーー・・そうだった。
だってよ~おまぁ足痛そうだったじゃん?だからここに連れ込んで・・・」
「連れ込んで?」

キョトンとした目で見つめてくる香を直視出来ず、そっぽを向くと頭をポリポリ。

「ま、まぁ~いいから早く帰れ!」

コイツを相手にしてると、調子狂うんだよな。なんなんだ?
普通だったら口説き落とすの難無く出来るはずなのによ。

「んもう、わかったわよ!帰ればいいんでしょ。帰れば!」
「それでよし」


立ち上がった香は方向転換してリビングから出ようとして「あ・・!」と声を上げた。

「なんだ?」
「あ、あのさ。これあげる。じゃ!またね!」

香は何かを撩に渡すとそそくさと走り去っていった。
それを見た撩は、一瞬複雑そうな表情を見せたが、もう一回それを見直すと微笑みしまい込んだ。
フッ・・・


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テーマ : 自作小説(二次創作) - ジャンル : 小説・文学

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