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2010.09.26(Sun)

パートナー

一線を越えていない頃のお話。




ある昼下がり、香はいつも通り伝言板を見に外出をしていた。
ただなんでもない日常。でも日々過ぎていくごとに香の心を痛くしていく。

撩のパートナーになってずいぶん経つけど、あたしの仕事って言ったら
家事全般や伝言板を見に行くっていう事だけ。
そりゃ依頼があればそのスケジュール調整とかあるけど・・
でも、実際依頼内容をこなすのは撩の仕事。
あたしも出来ることなら撩の右腕として役に立ちたかったけど
結局は、足手まといにしかならないんだよね。
それでも、撩はずっとあたしをおいといてくれてる。

いいのかな・・こんなあたしずっと居て・・・




昼飯を食べ終わった撩はソファーにもたれ掛かりボケーと考え込んでいた。

香、最近元気ねー気がすんだけど。
・・・まぁ、原因はだいたいが俺にあったりすることが多いんだけどなあ。



「はぁ~今日も依頼無かったわ。これでもう90日になるわよ」
「あらら、香ちゃんも大変ねぇ」
「んも~人ごとのように言って!あんたもビラ配りしなさいよ!」
「あーんもう、仕事なんて放っておいても来るときゃ来るからいーんだよ」
「はぁ・・・まったくお前ってやつはあ・・・」

予想していたハンマーは飛んで来なく、調子が狂う俺。
やはり香の様子がおかしい。


それから、香はいつも通り買い物に出掛け帰宅すると夕食の支度を始めた。
いつもと変わらないいつもの光景。
俺にとっては、そのなんでもない光景が好きなんだ。

くっだらねー話しで盛り上がって、腹抱えて笑ってる香。
ずっと暗い闇で過ごしてきた俺には、眩しいほどの香の笑顔。

けど、最近は心の底から笑ってないように見える。
アイツは俺に対して何か言えないで悩んでるときは、いっつも俺の顔を見ようとしない。
今回もそうだ。
それに対して俺も何か聞いてやればいいんだが、なんせ香が相手だとなかなか
真正面から話しが聞けねーんだよな・・・
いっつもおちゃらけてドーンとハンマーされて終わるとか。

夕食も終わると香は風呂へ入りに行った。
先に風呂へ入った撩は、ビールを片手にリビングでテレビを見ていた。

そこに一本の電話が入る。

「はーい、冴羽商事です♪」
「こんばんは、撩」
「冴子、なんだこんな時間に」
「ちょっとした仕事あるんだけど、受けて貰えないかしら?」
「あー?お前の持ってくる仕事は厄介なのばかりじゃねーか。
それにお前の受けると香がうるせーんだよ」
「あら~?せーっかくあなたへ報酬をのんであげようと思っていたのに、いいのかしらぁ?」
「な、なんだってー!受けさせていただきます!」
「うふふ、それじゃ詳細はFAXしておくわ」
「りょーかい♪」

急に入った冴子からの依頼は香には伏せることにした。
言ったら確実にハンマー飛んでくるからね♪

そしてすぐに送られてきたFAXに目を通すと、仕事実行日が明日になっていた。

「おいおい・・・早すぎるんでねーの・・・」

そう呟いてこの日はすぐ床に就いたのであった。



翌日、いつもより早く起床した俺は何か違和感を覚えた。
どこを探しても香の気配がしない。
香の部屋に行ってみるもやはり居ない。

「おっかしいなぁ・・・んな朝早くに居ないなんてあり得んのだが・・・」

不思議に思いながら朝食をサッサと済ませると、香の居場所がどこなのか発信器を調べる。
・・・が、反応無し。発信器が付いている服を着ていって居ないようだ。
一人で行動するときは必ず発信器を付けていくように言ってあるんだが、何故付けていかなかったのか・・・
最近の香の事を考えると心配でならない。

「まぁ・・・とりあえず冴子からの依頼をほっぽるわけにもいかんから
サッサと支度して向かうとするか・・・」

香のことが気がかりながら、冴子と待ち合わせの現場へと向かった。



廃墟となったそのビルは所々ひび割れ今にも崩れ落ちそうだ。
そんな場所で冴子が待っていると言うが、見渡しても冴子の気配はしない。
代わりに慣れ親しんだ気配が俺を遠くから見張っているようだ。

「・・・おいおい・・何のマネだ」

俺が言葉を発するとビル3階の窓からスッと姿を現したのは香だった。
戦闘服であるレオタードを身にまとい俺を威嚇するように銃を構えている。

「来たわね撩・・・」
「なーにやってんだよお前。お前も冴子から依頼受けたのか?」
「・・・いいえ」
「じゃ、なんでここに居るんだ?それになんで俺に向かって銃を構えてる」
「あたしが冴子さんに頼んだのよ」
「はぁ?」
「あんたと勝負がしたいから、無理言ってセッティングしてもらったのよ」

(・・・あのバカ・・・冴子何考えてんだよ)

「んなの出来るかってーの!」
「やってみなきゃわかんないでしょ!!」
「ってかよ~、どーしてそんなんするんだよ」
「・・・・・・」

途端に寂しそうな顔になった香。
言わないでも理由はわかった。

「パートナーとして素質があるか、あんたに身をもって体験してもらおうとね!」

そう、俺はまだ香をパートナーとして認めていなかった。
いや、言葉で言ってはいないが俺はアイツをパートナーとして見ているつもりだ。
だがそれは仕事上というより、影で俺を支えてくれている。
そういう意味合いのほうが合っているかもしれない。

それを言えたら一番いいんだがなぁ・・・こればかりは俺の性格を恨むな・・
あ、いや、香に対してだけだもんな~こんな俺・・・

うだうだ頭で考えていると、もう香は戦闘態勢に入り俺に向かって開始と
言わんばかりに銃弾を撃ってきやがった。

こいつは本気でやるつもりなのか・・・?
俺は香を撃てるわけねーんだよ。わかんねーのか?香。

仕方なく、俺は香を止めるためにビル内に入ると仕掛けられたトラップをくぐり抜けていく。
過去に依頼人に夜ばいを掛ける時、何度もトラップに引っ掛かったことがあるが
あれはワザと引っ掛かっただけで、本気を出せば俺はこんなトラップなんでもね~んだ。
俺のお陰でトラップの仕掛け方や仕組み、作動のタイミングとか色々学べた筈なんだがな~
俺の苦労わかってくれてねーなあ香ちゃん。
これは、分かってもらうために徹底的にやってやるか。覚悟しとけよ~!

口角を上げてニヤついた撩は、ビルの階段を駆け上がり隠れている香を探し回る。
最初に香が居た3階に辿り着くと、近くの柱にもたれ掛かり銃を構える。
(香を撃つつもりはねぇよ?)
香は同じ場所に潜んでいると俺は確信すると、天上に所々仕掛けられているトラップに
銃弾を当てていく。
銃弾が火種となって爆発したトラップで崩れ落ちる天上に驚いた香が姿を現し、
その場から逃げようとする。
そこをすかさず駆け寄り香を確保。そして組み敷いた。

「もう止めろ香」
「いやよ!!」

じたばたと暴れる香の脚も自分の足で押さえ込み一切の動きを取れなくする。

「んなことしなくてもお前は十分役目果たしてるぜ?」
「何言ってるのよ!あたしはいっつもあんたの足手まといにしかなってないじゃない!!」
「・・・香」

・・・香

顔を赤くして涙を流す姿を目の当たりにした撩は、心の深くに隠してあった想いが溢れ出し
思わず香を抱きしめてしまった。

「りょ・・・撩!?」
「そんなこと気にしてたのか?」
「え・・・?」
「お前は、俺のような闇に染まらずずっと微笑んでくれてればいいんだよ」

そう呟く撩の漆黒の瞳がとても寂しげで、見つめていると吸い込まれてしまいそうだ。
香は撩の思いがけない行動に全身が麻痺して動けなくなり、まるで魔法に掛かったように
思っていることを素直に話してしまう。

「そ、そんな目で見ないでよ・・・あたしはパートナーって認めてほしくて・・・」
「だからって、こんな危ない事すんじゃねーよ。
お前な・・・俺がお前を撃てねーのわかってねーのか?」
「わっかんないわよ?本気になったらあんただって・・・」
「バカ言うんじゃねーよ。撃ったらお前の兄貴に呪い殺されるだろうが」
「・・・・・・」

(俺はお前にもうずっと前に撃ち抜かれてるんだがな)

至近距離で沈黙のまま互い見つめ合う。

このまま、このまま・・触れてしまえば香は楽になれるのだろうか・・・
けど触れれば、香を闇に染めてしまう。
ずっとしまい込んできた感情が止めどなく溢れていく。
それを悟られないように、わずかな理性で堪えると抱きしめていた腕を解き
そっと離れ、香の手を引っ張り立ち上がらせた。

香は冷静さを取り戻したのか下を向いて一言「ごめんなさい」と謝った。
撩はそれに対して何も言わず、香の肩を抱くと廃墟ビルを後にし帰路に着く。



この一件で俺の心は一旦解けてしまったが、それを元に戻すのはかなり困難だった。
どれだけこの想いを隠せばいいのか。いっそ全て吐き出して楽になりたい。
だが、それだけの勇気は持ち合わせていない。


・・・ふぅ

ああ、槇ちゃんごめんよ。俺はお前の妹をこの先も苦しめそうだ・・・





2010.9.27組み敷き挿絵追加!

いっけね!あとがき書き忘れた(爆)

今回の短編はミックと香が戦って最後組み敷かれてってのを
撩と香に変えて書いたって感じっすw
組み敷いてる絵を描けって!?か、描けるように努力しますorz


拍手、コメントお待ちしてまーすヾ(=^▽^=)ノ
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テーマ : 自作小説(二次創作) - ジャンル : 小説・文学

10:29  |  ◆CH小説(原作設定)◆  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

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