2017年07月 / 06月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫08月
--.--.--(--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:--  |  スポンサー広告  |  EDIT  |  Top↑
2010.10.28(Thu)

大切な存在

一線を越えた後、そして結婚前のお話です。
今回は香ちゃんが痛い目に遭ってます。
そういうお話はヤダ!って人はお帰り下さい~
大丈夫だぜ!って人は↓へお進み下さい~

















「りょーー!!お疲れさま!」

ついさっきまで笑顔を見せて手を振っていた彼女は、今俺の腕の中で
血を流し気を失っている。

気が動転した俺は震えた手で傷口をただ押さえることしかできなかった・・・



数時間前、俺たちは久々に入った仕事を済ませ現場を去ろうとしていた。
クーパーの前で待つ香は、俺に向かって「お疲れさま!」と手を振っていた。
香まであと数メートルというところで、銃声が鳴り響く。

「伏せろ香!!」

音がした方向を直ぐさまパイソンで撃ち抜くと、建物の影から男が倒れこむ所が見えた。

「りょーーー!!!うああ!!!」

香が叫ぶ声に振り向くと伏せていたはずの香が、撩の前に立っていた。
驚く撩に対して香は、顔を引きつらせ何も言わず倒れ撩にもたれ掛かった。

香?



「香?」

撩は香の背中に回した右手に何かヌルリとした感触が感じられ、それを確認するため
右手を見てみると・・・

「香!!!」

香の背中は銃弾を受け真っ赤に染まっていた。
一気に血が沸き上がり殺気を飛ばしてくる敵を一瞬のうちに滅した。

周りに敵が潜んでいないか注意を配りながら、携帯電話で海坊主に連絡を
入れようとするが・・・あり得ないほどの動揺で俺の手は震え思うように掛けられない。

「くそっ・・・!香、かおり!ぜってー助けてやっからな!!」
「りょ・・・ぉ・・・・」

やっと掛かった電話で海坊主に説明し現場まで来るよう要請した。
海坊主達が来るまで俺は香に応急処置をし、腕の中で無事を祈り続けた。

数十分後、急ブレーキの爆音と共に海坊主と美樹ちゃんが現れ
すぐに香を車へ乗せ、教授の家へ急いだのだった。

「ファルコン!急いで!!香さんの容体が心配だわ!!」
「ああ、わかってる!!!」
「冴羽さん!気を確かに持ってね!?」
「香・・・死ぬんじゃねぇ・・・いや、死ぬわけねぇ!死なせるかっ!」
「冴羽さん!?」
「撩!しっかりしろ!!しっかり香を守ってやれ!!」
「うるせー!わかってる!」

痛みと出血で気を失っている香を撩は抱きかかえ頬に顔をすり寄せている。
その姿は海坊主も美樹も初めて見る光景で、あの冷静沈着な冴羽撩が
ここまで自分を無くすほどにパートナーを思っていたのかと思い知らされる。

教授宅に着くと海坊主と美樹は香を慎重に運び出す。
すぐに教授とかずえが手術に取りかかり、海坊主と美樹は一旦帰って行った。


「リョウ!カ、カオリは大丈夫なのか!?」

そういって駆けつけたミック。
その言葉に俯き何も言わない撩。

「おい!リョウ!」
「うるせーな!!」

顔を上げた撩の顔はミックが初めて見る顔で、その表情はあまりにも痛々しかった。
もう一度俯いた撩の足下に一滴の液体がこぼれ落ちた。

「リョウ・・・?」

・・・涙?あのリョウが?

これまでどれだけの苦難があろうと涙を流すことなど無かったお前が
・・・そうか、それだけお前はカオリの事が。

ミックは何も言わず撩の隣に立ち、煙草を無言で撩に手渡すと
二人煙草を吹かしながら香の無事を祈った。



どれだけの時間が経っただろうか、今まで味わった事のない苦痛は
まるで地獄のようで、なぜ俺はここにいるのかと錯覚を起こすほどだ。

なぜ、あの時お前を守れなかったのか、なぜ俺だけが無傷なのか・・
俺が守るべき人が俺を守り倒れてしまった・・・

自分の甘さに反吐が出る。


手術が行われていた部屋のトビラが開き、そっと教授が出てきた。
駆け寄るミックの後に撩がゆっくりと歩いて近づく。

「教授!カオリの容体は!?」

教授の肩をガシッと掴み睨み付けて問い掛けるミックに教授も驚き
声が出ないでいると、後ろからかずえが「大丈夫。手術成功よ」と言ってきた。

「そ、そうか!そりゃよかった!!」
「でもこれからが大事よ。冴羽さん?」
「あ、ああ・・・」
「お前、大丈夫か?」
「かずえさん、香の所行っても大丈夫か?」
「ええ、麻酔が切れるまで喋れないけどね」
「んじゃ、俺も行く~♪」
「すまんミック。しばらく二人になりたいんだ」
「・・・あ、ああ、わかった」
「すまんな・・・」

俯いたままの撩は手術を終えたばかりの香の元へ歩み寄っていった。
今までに無い撩の変化に三人は驚きとともに心配であった。

「冴羽さん・・・大丈夫かしら」
「うむ・・あんなリョウ見るの初めてだ・・・」
「二人とも撩を信じようじゃないか」
「ええ、そうですね。ミック?あなたも嘗ての相棒でしょ?信じましょう」
「わかってるさ・・・」



香・・・?

バカだよな俺。

なんかスゲー手が震えてんの。

おまぁを守ると約束したのに、俺はそれをやぶっちまった。

この先、同じ事が起きないなんてあり得ない。
百戦錬磨の俺だって今回のようなことが起きるんだ・・・


ああ、だが・・・どんなに悔やんだって、俺が引き込んでしまった裏世界。
引き返すことはもう出来ない。おまぁを初めて抱いたあの夜に誓ったから。


「おまぁがこの先、手の届かない場所に行ったとしても
俺は俺の人生を全うする・・・」

――お前が生きることを教えてくれたから

「・・・あ、あたしは・・し、死なない・・よ・・・」
「か、香!?」
「りょ・・・良かった・・・無事・・だっ・・たんだ・・ね」
「喋るんじゃねぇ!」
「りょ・・う・・・本当・・・に・・よかっ・・・た。
・・・何が・・あっても・・・ずっとパートナー・・・として、あなたを・・守るから・・・」
「もう、いい!!わかった!わかったから!!」

一滴涙を流した香はまた深い眠りに着くと、撩は強く抱きしめその名を叫んだ。

「香ーーー!!」


「大丈夫よ冴羽さん。香さんはまた眠っただけよ」
「出血多量で体力も奪われていたんじゃろうて。眠らせてあげなさい」
「・・・・あ、ああ・・良かった」
「ほらほら、カオリも無事だったわけだし!リョウも元気出した出した!!」
「おう~!!それならこれから飲みに行くかミック!!」
「おうおう!その意気だ!!行くぜ!!」

互いに肩を組み、先ほどまでの事が嘘のように撩は張り切って出て行ってしまった。

「ちょ、ちょっとー!?ミック!冴羽さんも!香さん放ってなに言って・・・」
「いいんじゃよ。行かせてやりなさい」
「で、でも教授・・・」

「今回ばかりは撩も結構堪えたじゃろう・・・今は好きなようにさせてやろう」




月の光が照らされる病室。
ベットサイドにある椅子に座り、香の寝顔を眺めている撩の姿があった。
香の頬に手をやり優しく撫でてやる。

「・・・香?・・痛い思させちまってごめんな・・・」

起こり得ると思っていた出来事が本当に起きてしまい自分の不甲斐なさを感じる。
今回のことを教訓にこれまで以上に香を守ると心に誓い、撩は香の頬にひとつキスを落とした。

「もう、守るのはお前だけでいい」






◆あとがき◆
さやさんからのリクエスト作品でございます!
「香が大けがをして、自分を無くすほど取り乱すリョウ」という物でしたが・・・
その通りになっていたかどうだか!いかがでしたでしょうか!?
一線を越えた時の想いなど含めました~

ご感想や励ましなどお待ちしてます~ヾ(=^▽^=)ノ


スポンサーサイト

テーマ : 自作小説(二次創作) - ジャンル : 小説・文学

01:21  |  ◆CH小説(原作設定)◆  |  TB(0)  |  CM(1)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

kaitoさん、こんにちは。
香が撃たれて、激しく取り乱すリョウ・・・
そんなリョウの姿を見た事のない友人達は、驚きながらも、リョウの香に対する愛がどんなに強い物かを、改めて知らされたって事かな・・・
自分にとって香が、どんなに大切な者か・・・改めて解ったリョウだよね。
香の傷痕って残っちゃうのかなァ~,
その痕をモッコリするたびに見ては落ち込んでたりして・・・
私のつたないリクエストに応えてくださりありがとうございます。
私が想いえがいていた事以上に、ステキなストーリーになってて感動しました♡♡
よろしければ又、リクエスト小説お願いします♡♡♡。
さや | 2010年10月29日(金) 10:34 | URL | コメント編集

コメントを投稿する


 管理者だけに表示  (非公開コメント投稿可能)

▲PageTop

Trackback

この記事のトラックバックURL

→http://lunameru.blog51.fc2.com/tb.php/77-5793de1a
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック

▲PageTop

 | BLOGTOP | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。