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2010.11.18(Thu)

過去編「忘れることのない言葉」

第一章の第九話後です。




「皆様、間もなく離陸致します。シート・ベルトをもう一度お確かめ下さい」

・・・また日本を離れるんだな。
あの頃と同じだ・・


あの頃、そう6年前俺は特別捜査官として警視庁に配属され
槇村の親父さんと冴子で組んで捜査を行っていた。
銃の腕をかわれ、よく親父さんと射撃場で競ったもんだ。


ドゴオォォォーン、ドゴオォォォーン、ドゴオォォォーン

「撩、お前の腕は大したもんだ~見事なワンホールショットだな!」

「槇村さんには適いませんって」

「あっはっは。お世辞なんていらねぇよ!
よし、今日仕事上がりに飲みに行くか~!なぁ~撩!」



配属したてのあの頃の俺は、あんまり周りと関わってなかったんだったなぁ。
だが、親父さんはそんな俺を見かねて、色々と話しかけてくれてたんだ。
ここだけの話、初めの頃はあんまり気が向かなかったが・・・


「さぁ~撩、じゃんじゃん飲んでくれよ」

お言葉に甘えて俺は黙黙とビールを飲み干し、ビール瓶を空にしていく。
親父さんも負けじと飲み干して、他の客の注目の的になっていた。
先にグデングデンになったのは親父さんだった。
見かねた居酒屋のマスターが秀幸に連絡してくれて、迎えに来てくれたんだったな。

「あーあ・・・父さんどんだけ飲んだんだよ・・・」

「君は?」

「あ、俺、槇村秀幸っていいます。この酔っぱらい親父の息子です。あはは・・・」

「君が秀幸君か。いつも話で聞いてるぜ」

「あなたはもしかして・・・冴羽さんですか?」

「あ?俺のこと知ってるのか?」

「ええ、父さんから聞いてますよ。面白そうな奴だってね」


それから親父さんと飲むとき、秀幸も入って一緒に飲むことが多くなった。
俺と親父さんを二人で飲ますと大変なことになるから、止め役としてっての
もあったんだよな。

俺も徐々に素が出るようになって、いつの間にか親父さんと肩組んで飲み歩くこともあった。
仕事でもプライベートでも名コンビだったよなぁ・・・

色んな所でナンパしてるのが親父さんの耳に入って、刑事なんだから弁えろとか言われたが
ナンパ癖なおんなくて呆れかえってたなぁ。ははは・・




あれは、暖かくなってきた春先のこと・・

俺はあの日、単独で聞き込みなどの仕事をしていた。
親父さんと冴子が組んで別件調査に行っていたときだ。

突然無線が入り応援要請が伝えられた。

中心部の大銀行で銀行強盗が発生したようだ。
犯人は前科のある凶悪犯。拳銃を所有か・・・


俺はサイレンを鳴らして都心部にある銀行へ急行した。


急行する途中にまた無線が入る。

『子供が人質にされた模様』

「くそっ・・」

苛立ちが隠せない俺。

この頃の俺は、何かと苛つきやすく突発的な行動をしやすかった。
今でこそ冷静に仕事をこなすことが出来るようになったんだがな・・・
たかが5年・・それでも俺には長い年月だった。


車は現場の銀行前に着いた。
すでに他の応援も駆けつけ、周りには興味本意で集まった野次馬で騒然としている。
犯人の要求する物は「一億円」俺はすぐに用意するから女の子を解放してやれと
犯人に交渉するが、聞き耳も持たない。

だが、数分後犯人が俺に対して「お前だけこっちに来いと」と要求され
俺はすぐに犯人の元へ向かった。

銀行の中へ入ると犯人の男は女の子を抱え銃をこちらへ向けている。


「おい、お前」

「なんだ」

「お前、警察っぽくないよなぁ~」

「フッ・・・こう見えて俺も歴とした刑事だぜ?」

警察手帳を男に見せると、呆れた口調で「違う違う~」と言い返してきた。

「お前、俺と同じ匂いがするんだよなぁ・・・さーてどうしてだろう~あっはっは!!」

「ほざけ・・・俺はお前みたいな事はしねーぞ」

「ふん、まぁいい。
それよりここを出るのに車が欲しい」

逃亡か・・・逃がしやしねぇけど・・とりあえず連絡を入れるか・・外を見渡すと
親父さんと冴子が来たところが目に入ったので、冴子に連絡を入れた。

「すまねー冴子。ちと車用意してくれねぇか」

そう告げすぐに電話を切った。

「物わかりいいじゃねぇのお前」

「うるせーな。逃げたって俺が追ってやる」

犯人と俺の睨み合いが一時間続いてた中、要求していた車が到着した。
鍵を差したままの車の周りに取り囲むように警察がいる。
SATは犯人に見えない場所に潜り込み狙いを定めているようだ。

だが、犯人の手の中にはまだ女の子がいる。
下手に手出しが出来ない状況に俺もかなりの苛つきを見せていた。
それに、男はどこからか入手したのか防弾ヘルメットを着用していて
頭を撃ち抜くことは出来ない。

「さて・・・どうする俺」

女の子を連れたまま車に乗り込もうとする犯人に俺は銃を向ける。
犯人が助手席側のドアを開け女の子を乗せようとしている。
銃を向ける俺に気を取られている間に親父さんが運転席側を開け
助手席に乗せられた女の子を助け出そうと乗り込み手を伸ばすと、親父さんに
背を向けていた犯人の手が素早く親父さんを捕らえた。
女の子は車外に放り出され、すぐさま警官が助け出す。


犯人は親父さんの首に腕を回し「へっへっへ・・・戦闘に長けてる俺に通用しないぜ?」
そして首に回した腕を徐々に締め上げていく。

「ぐ・・・ぐぐぐぐ・・ぅ・・」

首を絞めつけで力が抜けた親父さんを引っ張り出し助手席のドア前で突っ立っている犯人。
息苦しそうにする親父さんを目前に俺は銃を犯人に向け続ける。

「よぉ~お前さんよ。俺を狙ったっていいが、このおっさんも一緒に撃つことになるぜぇ?
いいのか~?ま、おっさんが息絶えるのも時間の問題か!ハッハッハッハ!!!」

「チッ・・・!!」


チッ・・・



俺は銃を犯人に向けたまま思い悩んでいると
息苦しくもがく親父さんが俺に向かって叫んできた。

「りょ、撩!!撃て!このまま撃ってくれ!!」

「なっ!?」

動揺する俺は微かに銃を持つ手が震え出す。
だが迷っている暇なんて無かった、このままにしておけば必ず犯人は
親父さんを盾にして車を発進させ逃亡するだろう。
そうなれば追っかければいいことだが・・・
今の状況、親父さんの息はもう続きそうにない。

俺に撃てというのか?
俺は撃てるのか?
“あの頃”の俺だったら出来たかもしれないが・・・


結果・・・最悪な結末だった。

周りの奴らも仕方なかったと声を掛けてくれた。
だが、俺自身納得いく結果ではなかった・・・


親父さんは、撃たれる直前はもう息絶え絶えで朦朧としていたに違いない。
恐らく痛さも無かったかもしれない。
死にゆく親父さんの顔が今でも忘れられない・・・


その後、親父さんの死を耳にした秀幸は、その原因が撩だと知り怒り狂った。
葬儀にも出るなと言われた俺は、遠くから葬儀の様子を伺った。

警察関係者、親父さんのプライベートでの関係者など、色々な出席者がいた。
そして、受付には秀幸ともう一人噂で聞いていた香が立っていた。
気が強くて男っぽい女の子って話しに聞いていたが・・・

確かに根はシッカリとしていそうだ。
だが瞳を潤ませ涙を堪えながらも凛としている姿に俺は心を打たれた。



・・・あの時から、俺はアイツを忘れられないでいた。
恋だの愛だの馬鹿馬鹿しいことは好きじゃなかった俺なのに
アイツのことを何年思い続けてんだ。今だって・・・


あの事件があってから、俺は刑事を辞めしばらく新宿にいたが
とあるところからアメリカ行きの話があがり、向こうへ渡る決心をした。



誘いがあったからっていう理由でアメリカに渡ったが・・
結局俺は逃げただけだ。
今回も俺は自分の弱さから逃げただけ・・・


今でも耳に残る親父さんの最後の言葉。


「香を・・一人娘を頼む・・・・」


(すまねぇ・・親父さん。俺はもう香の側にいられねぇんだ・・・)

そう心の中で呟くと機内アナウンスでもうすぐアメリカに着くことが伝えられた。

今回のアメリカでの仕事はかなりきつそうだ。
だが、それが俺に与えられた運命だから。やるしかない。




「よう、リョウ。待ってたぜ」

「おう、お待たせ」

「さーて、行きますか~オレの相棒♪

 そして新生City Angel始動だ!」




◆あとがき◆
撩ちゃんが過去を振り返る今回のお話いかがでしたでしょうか~
そして最後に出てきた撩の相棒・・・喋り方で誰だかわかるよねw
新たなコンビ名で二人は動き出しました。
さて、どうなっていくのでしょう!こうご期待!
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テーマ : 自作小説(二次創作) - ジャンル : 小説・文学

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Comment

こんにちは、「忘れることのない言葉」読みました。
りょうの過去って…色々あるみたいだね。
捜査官に成る前の事も気になるし・・・
香のお父さんとは、本当いいコンビだったみたいだね。
おやっさんはリョウの事を、息子みたいに思ってたんだろうね。
色々構われて、楽しかったんだろうな~そのころ・・・。
アメリカに着いて・・・でましたエンジェル!
リョウ~っ!香の事を忘れないで・・・過去のことにしちゃわないで・・・
さや | 2010年11月19日(金) 10:34 | URL | コメント編集

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