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2010.11.25(Thu)

都会の天使第二章 第一話「突然の再会」


第一話「突然の再会」


――二年後。


「さ、今日もメールチェックしよう」

香は毎朝する日課があった。
それは、事故後携帯のメールチェックをしたとき「撩」からのメールを見て
見覚えのない事に気付いたからだった。
見覚えがないのに、どの友人よりも多くメールのやりとりをしていて
香自身驚いたからだった。
それから、毎日そのメール内容を見ればその人を思い出すかもしれないと考え
何度も何度も繰り返し見たり読んだり、時にはメールをしてみたが・・・
送ったメールが返ってきてしまって、今はもう使われていないメルアドのようだった。
だが、二年経った今でも思い出すことがなく心にポッカリ穴が空いていた。

「なんで、この人のことだけ思い出せないんだろう」

あれから、周りの友人やアニキ、冴子さん等に「撩」という名の人物を
知っていないか聞いてみたものの、みんなにはぐらかされて聞き出すことが
出来ていなかった。

もう、なんなんだろう・・・


「秀幸、香さんまだ撩のこと気にしてるの?」
「ああ、毎朝携帯見ているみたいだ」
「そっか・・・あの時、携帯変えてしまえばよかったわね」
「・・・うーむ」
「困ったものね・・」
「で、あれから撩から連絡はあったのか?」
「ううん、全く無いわよ。噂も聞かないし・・・元気にしてるのかしら」
「さぁ~な」
「あ、ごめんね。あなたにとって撩は憎い男・・・か・・」
「・・・・・・・・・」


(酷い男か・・・)


あれから一度だけ撩からの連絡はあった。
ただそれは、一方的なもので。
撩から頼まれたと言ったその男は一言「すまなかった」という伝言を残し
一つの封筒を手渡て行った。
その中身は、賠償金の如く大金が入っていた。

俺はもの凄い怒りが込み上げもう一度殴ってやろうかと
撩の行方を捜したが・・・見つからないでいた。
そんな時、飲みに行ったBarで撩がアメリカへ立つ前の話を耳にした。
あれだけ女遊びをしていたアイツが一切姿を見せなくなったそうだ。

父さんは撩のことを「根っからのスケベ男」だって笑いながら言っていたが
そんなアイツがこうも変わってしまったのは、あの事があったからだろうか・・・

それだけ香のことを大事に想っていたのか・・・?

俺は、それから撩のことを憎むことをしなくなった。
憎んでも何も始まらない。前と同じ事だからな・・・


一人カレンダーを見つめ首を傾げる香。
なにか切ない想いが込み上げる感覚がするが、それがなんなのか一切わからない。

「ううーん・・・この日に何かあったのかな?」
「どうしたんだ?香」
「あ、アニキ。ううん、なんでもない」

切ない表情で見つめる日付に秀幸は首を傾げ、香の記憶に何か関わっているのだろうか。
撩だけの記憶を探る毎日。結局、記憶を無くした香もアイツを想い続けている。
兄としてちょっと複雑な気分だが・・・

「・・・そうか。あ、そうだ香」
「ん?」
「ちょっと頼みたいことがあるんだが・・・」


   ※※※※※※※※※※※※※


「頼むって言われて歌舞伎町に来たけど・・・
夜は来たこと無いから一人歩きは怖いなぁ・・・」

えっと・・・この薬をお店のママに渡せばいいのよね。
夜の歌舞伎町、本日も賑わう騒がしい新宿の街。


「お、そこのお嬢ちゃん!うちのお店で働かないかい!?」
「・・・え?あ、あたし?」
「そうそう、君だよ~!凄い綺麗だしスタイル良いし!」
「え、いや・・・あたしはその気は・・・」
「ほらほら!こっちこっち!」

香はぐいぐい黒服に引っ張られ中へ連れて行かれそうになる。
と、そこへ・・・

「おいおい、やめないか」
「あー?何だお前?」

助けに入ってきた男は、香を引っ張る男の腕をグイッと引っ剥がすと睨み付けた。
男は睨み返したが、相手が何者なのかすぐにわかると一目散に逃げていった。

「フン・・ったく度胸のないやつ~♪」
「あ、あの・・・助けていただき、ありがとうございます!」

ぺこりと頭を下げて顔を上げると男と目があった。

「ん・・・」
「なんですか?あたしの顔に何か付いてます?」
「あ、いや・・なんでもない・・・。じゃ、俺は用事あっから行くな。」

(あれ・・・?あたしこの人と会ったことある気がする・・・)


人混みに歩き去って行く男を見て思う香。
「気のせいかな?」と呟いて、香もまた目的を果たすために歩き出そうとすると
近くで聞き覚えのある名が響き渡った。


「リョウ!!」


!!
りょう!?あの冴羽撩って人のことかな!?
そう思った香は、声のした方へ走っていくと先ほどの男性と
金髪の男性が何やら話している。
その金髪の男性は、先ほどの男性を見ながら「リョウ」と名を呼んでいた。

(りょう?さっきの人ってりょうっていうの??)


「あ、あの・・・」

声を掛けようとするとリョウと言う名の男性は聞こえなかったのか
歩いて人混みの中へ消えていってしまった。
一緒にいた金髪の男性は立ち止まって香を見るとニコッと笑って
先ほどの男性を追いかけるように人混みに消えていった。

フッ・・・


首を傾げて「??」となった香は、名前が同じなだけで名字は
違うかもしれないと思いその場を後にした。



「リョウ!」
「あー?なんだミック」
「な~にサッサと行ったんだよ。可愛い女の子が話しかけてきたのに」
「ん?そうだったか?気付かなかったぜ」
「ふーん・・・」

疑うような目つきで見つめる俺の相棒ミック・エンジェル。
苦笑しつつ右手をヒラヒラ振ると「用事あるから」とそこで飲みは解散となった。

「んだよ~」とぼやくミックを尻目に雑踏の中へ足早に消えていった。


プルルルプルルル・・・

「あ、アニキ?あたしだけど」
「どうした?」
「例の薬、ママさんに渡したからね」
「お、すまない。ありがとな」
「ううん・・・」
「ん?どうした?何かあったか?」
「い、いや・・なんでもないよ。じゃ、帰るからね」
「そうか。あ、今出先だから帰り遅くなるかもしれん」
「りょーかい。じゃ、また~」



香は兄に「りょう」という名の人の話をしようと思ったが
確信が持てず話すのをやめてしまった。
だが、ずっと引っ掛かるあの大きな男の人。

「痛ッ・・・」少し頭痛がした。
思い出そうと考えると頭痛がする。一体どうしたらいいんだろう。



賑やかな繁華街を抜けてひっそりと佇む新宿の端にあるとあるBar。
そっとトビラを開け中に入る。

「お久しぶりッス。マスター」

その聞き覚えるのある声にBarのマスターは驚いて目を見開く。

「お?撩ちゃんじゃないか」
「いやぁ~良かった。忘れられてなかったようだ」
「いやいや、忘れるわけないじゃないか。あんたみたいな豪酒をさ!」
「あはは・・・あ、マスターいつものくれる?」


そう言うとマスターはいつものストレートを出してくれた。

刑事時代から、俺はここでよく飲んでいた。
親父さんや槇村ともここで飲んだことがある。

「懐かしいな・・・」

そう呟き一人思いに耽ならがゴクリと酒を飲んでいると・・・


「撩、やっぱりここにいたな」
「!」

聞き覚えのある声に驚いた撩は、Bar入り口付近を覗き見ると
そこには秀幸が右手を挙げ立っていた。



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テーマ : 自作小説(二次創作) - ジャンル : 小説・文学

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Comment

●読みました~!!

こんにちは。
早く続きが読みたくって、毎週楽しみにしております。

さあ、リョウが帰ってきましたよ!!
ドキドキ、わくわく。
続きが本当に楽しみです。

なっちゃん | 2010年11月25日(木) 15:12 | URL | コメント編集

カイト様こんにちは。
リョウちゃんが日本を離れて2年がたったんですね・・・
なのに、香の記憶は戻っていない・・・
再び出会ったのに、そっけない態度のリョウ。
あの出会いは、多分きっと槇村兄の計らいでは・・と思うのですが・・・
兄貴が、可愛い妹の為に一肌脱いてくれればいいのにな~。
兄貴と言えば・・・冴子さんと結婚してるのかしら?やっぱ、香の事が心配でまだかな~

ミックと日本に帰ってきたって事は「シティーエンジェル」の仕事を日本でするって事かな?
それに、どう香が関わっていくのか、これからのストーリーが楽しみです。













さや | 2010年11月30日(火) 10:50 | URL | コメント編集

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