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2010.11.25(Thu)

危険な依頼者(2)

今回は短め。




あれから俺達は左手薬指に指輪をはめ、稲森に見せつけるように意識していた。
だが・・・なぜか稲森は指輪を見るものの何も言ってきやしなかった。
それは、何もかもお見通しのような微笑みを浮かべて香を見つめている。

朝食を終え、香がキッチンで片付けをして忙しいときに俺の所へ
稲森がやってきてこう言いやがった。

「冴羽さん?」
「なんだ?」
「そんな指輪しなくたって、俺は知ってましたよ」
「は?」
「夫婦なんでしょ?」
「・・・ん・・・まぁ、な」

稲森は俺等に依頼を出す前に色々な情報網で調べていたそうで
俺達が夫婦であることも、わかっていたそうだ。
ってか、なんなんだ!?コイツ・・・
どんな情報網を持っているんだか、俺達は言いふらしてはいないんだが。
・・・ま、まぁ・・・この新宿にいれば耳に入らないわけもないだろうが。
俺と香は有名だもんな~誰かさん達のお陰で。

「でも、冴羽さん。
俺は、たとえ夫婦だとしても香さんのこと諦めませんよ~」
「はぁー?何言ってるんだお前」
「・・ふふん」

稲森は撩の問いなど耳に入れず、鼻歌を歌いながら客間へ向かっていった。

「・・・ったく、なんなんだアイツは」

稲森の態度に苛つきを隠せない俺は、地下の射撃場へ行き淡々と撃ち続けた。
的の頭の中心部分を全て同じ位置に撃ち込み続け、硝煙の匂いが立ち込める。

キィー・・・

ドアを開ける音に気付きその方向を見ると香がそーっと入ってきた。

「ん?どうした香。稲森に何か言われたか?」
「え?ううん、稲森さんは客間に居るみたいよ」
「そっか。
で、おまぁ~はどうしたん?」
「・・・明日からガードのために忙しくなるでしょ」
「ん~、そうだな」
「だから、あたしも鍛えておこうかなーと・・・ダメかな?」

香は撩を覗き込み上目遣いでご機嫌を伺っている。

んな・・・おま・・・そんな目で見られちゃ断れん・・・!
っていうか、ホントのパートナーとして認めてから、ここ使わせてるんだけどな。
と言っても、俺が居るときだけだがな!一人じゃ怖くて・・・
・・・そう、後ろから指導しつつ香のみっちり引き締まったスレンダーボディ見るのが
たまらんだけなんだがなっ・・・むふふ♪
おっと、つい本音が。

「んじゃ、俺は後ろで見ててやっから撃ってみ」
「う、うん」

香はいつも通りコルトローマンを手に取り照準を合わせると撃ち込んだ。
それは俺には全然及ばないが、昔と比べたら断然腕が上がっている。
まぁ、上がるもなにも昔は照準をわざと狂わせて渡していたからな。
アイツはやれば出来るんだ。だが、俺のように染まって欲しくはない。
ったく自分勝手な奴だよな俺はっ。

「香、おまぁだいぶ良くなったじゃないか」
「ホ、ホント!?」
「ああ、俺のようにはいかないだろうが、的にもちゃんと当たるようになったし。
俺の教え方が上手いからだな」

撩は香の背にピッタリとくっつき、背後から香の首に一つキスを落とした。
チュッと音を立て、またもう一つキスを落とす。

「りょ、撩・・・?」
「・・・・・・」

俺はまだ苛つきが抜けきっていないのか、どうしょうもなく香をむちゃくちゃにしたくなる。
コイツは俺のものだと誰にも渡さないとむちゃくちゃに。

香は俺のものだ・・・


夫婦になったってーのに、こんな気持ちにさせるのはやっぱり俺と香が
正式な夫婦じゃないからか?
左手薬指にそっと光る指輪を見つめながら俺はそう思った。


初日の稲森のスケジュールは、やはり売れっ子アイドルだけありハードスケジュールだ。
ドラマ撮影→ドラマ撮影の合間に雑誌の取材→出演している映画の宣伝の為テレビ出演
ドラマの撮影が結構長めだから、テレビ録画終わる頃には日付かわってるかもな。
スケジュール通り、朝早くマネージャーが迎えに来ると稲森を乗せ、その車の後ろを
俺等が乗ったクーパーでピッタリと護衛する。
現場へ着くと、稲森とマネージャーはいつも通りの行動をしてもらい、俺と香は散らばって
怪しい奴が居ないか監視をしていた。


狙われている稲森の近くには俺が待機し、周りの連中が変な動きをしないか見ている。
ついでに、香に変なちょっかい出さないか、そっちの監視もしてたりもする・・・
そっちのほうが重要な気がしないでもない・・・

そんなことを考えていると、マネージャーがトイレに行くと声を掛けてきてスタジオから出て行った。

マネージャーから手渡されていた今回の撮影で使う台本を暇つぶしに読んでいると・・・
そこへ最近ブレイクし始めているグラビアアイドルの女の子が通りかかった。
撩を見るなり目を輝かせ「俳優さんですか!?」「これから撮影!?」などと
質問攻めにあい、撩も満更ではなかったのか鼻の下を伸ばしている。
すかさずその光景を見た香がプンプンと撩の方へ行こうとすると、その腕を誰かに掴まれた。
香はハッと振り返ると、そこには稲森が居た。

「あ、稲森さん・・・」
「どうしたんですか?俺のガードお願いしますよ♪」

稲森はそう言うと香の腕を掴んだまま、てくてくと歩いて自分の控え室に入っていった。
控え室には他に誰もおらず、香と稲森は二人っきりだ。

「休憩ですか?」
「ええ、これから30分ほど休憩ですよ。
なので、香さんと雑談しながらお茶でもと思いまして♪」
「そ、そうですか・・・」

香の脳裏には、昨日の光景が思い出されていた。
鈍感な香でも稲森が自分に好意を寄せていることは、なんとなく感じていた。
押し倒されそうになったあの時の稲森の目に男を感じたからだ。
そんなことを考えていると香の顔は微かに赤くなりまともに稲森の顔を見れなくなっていた。

「どうしたんですか?香さん」
「・・・え?い、いや、なんでもないですよ。ははは」

顔を赤らめて空笑いをしている香に稲森は突然抱き付き強く抱きしめた。

「え・・・あ!・・あの、稲森さん!?」
香の首元に顔を埋め「良い匂い・・・」と呟き、耳元で「香さん・・・俺あなたが好きです」

と囁き告白をしたのだった。
その途端、香は真っ赤になり硬直してしまった。
その反応に稲森は手応えばっちりあるか?と思うのだが、香は撩以外にハッキリと
告白をうけるなどミック以来無かったので、慣れているわけもなく硬直してしまうのだ。
これはいけると思った稲森はそのままキスへ持って行こうとしたその時・・・

「おい、何してるんだ」

「!!」

控え室のドア付近にいつの間に撩が突っ立っていた。
ビックリした稲森は咄嗟に香から離れると、慌てて部屋から出て行ってしまった。

ふん・・・度胸のない奴。
ま、俺の前であれ以上やってたらぶっ殺すけどな。

「りょ、撩・・・ありがと」
「ったく・・・稲森には気を付けろと言っておいただろうに」
「・・・撩?あんたもさっき女の子に言い寄られて鼻の下伸ばしてなかったっけ~!?」
「え!?あ、いや・・・!あれは、その~・・・!!
俺、俳優に間違えられて質問攻めにあってたんだよ!」
「え!?撩が俳優に!?そんな馬鹿な~」
「おい~!?それってどういう意味だよ~!」
「・・・プププ!!」
「おい、こら!」
「あ、撩!」
「なんだよ急に」
「稲森さん追っかけないとでしょ!」
「んあ、そうだった・・・お前の方ばかり見てて忘れてた・・・」
「え・・・あたしのこと見守ってたの?」
「ああ・・・
そ、それより!稲森の所へ行くからな。一応ボディガードだし」
「うん、気を付けてね撩」
「おう」

撩は気恥ずかしかったが香と軽くキスを交わし、稲森を探しに走り去っていった。
香はその姿が見えなくなるまで見つめていた。

忍び寄る影に気付かずに・・・



稲森を追いかけている撩は、何か嫌な予感がしていた。

キキキキー!

車の急発進する音が鳴り響くと、即座にその方向へ急ぎ走る。
胸元のパイソンへ手をやり、音がしたところに辿り着くと
既に車は遠くの方へ走り去っていた。

数分後、撩の携帯が鳴り稲森のマネージャーから誘拐されたと連絡が入った。
恐らく組みの者だろう・・・
香に車を寄こして貰うため携帯に連絡を入れたが一向に出やしない。
撩はすぐに携帯のGPS機能で香の居場所を探ってみる。
すると、今まさに移動中のようだ。

プルルルルプルルルル・・・

携帯が鳴り響いた。

「なんか用か、海坊主」
「・・・すまんが撩」
「ふ・・・それ以上言うな。
どうせあの組長の娘にでも雇われたんだろ?」
「フン、まぁそんなとこだ・・・
香はこちらで預かっている。返して欲しければ稲森を連れてこいとのことだ」
「・・・はぁ?」
「なんだ」
「いや、さっき稲森も誘拐されたとマネージャーから・・・
チッ・・・!あのマネージャーにしてやられた!」
「どうしたんだ」
「あのマネージャーちょい気になってたんだ・・
海ちゃん香のこと頼む!稲森見つけたら必ず連れていく!」
「おう、待ってるぞ」


あのマネージャー確か稲森の担当になって日が浅かったんじゃなかったっけか・・
たまに見せる表情が妙に影を持ってる感じで寒気を感じてたんだよな。
俺の勘が正しければ・・・


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テーマ : 自作小説(二次創作) - ジャンル : 小説・文学

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