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2011.10.11(Tue)

都会の天使第二章 第十一話「新しい未来に向かって」


第十一話「新しい未来に向かって」




「アニキ!早く行くよ!」

「おーっとと、分かってるからひっぱるなって」


日曜の早朝、香は秀幸を引っ張り慌ただしくアパートを出て行った。



一方その頃、撩は待ち合わせ場所で香達が来るのを待っていた。


「おっせぇなぁ~・・」

「あらぁ~撩、早いじゃないの」

「あん?」


背後から声が聞こえ、振り向いてみると冴子がいつもとは違う装いで表れた。


「よう、冴子。お前、気合入ってるなぁ」

「そりゃ~ね!」

「ははっ!俺はいつもと変わらんがね」

「彼女と会うんだから、もうちょっとお洒落にしたらどうなの~?」

「っるせ~な、俺はこれでいいの」



「りょーーーー!!」



「お、来たようだな」

「そうね」


こちらへ向けて大きく手を振りながら、秀幸を引っ張り歩いてきた。


「おまたせー!ごめんねー待った?」

「いや、大丈夫だ」

「うそー、こいつ結構早く来てたんじゃないかしらぁ~?」

「冴子さんもおはようございます!って撩そんなに早く来たの!?」

「ちょ・・・冴子いらんこと言うな!」

「うふふっ」


撩をからかって笑う冴子に秀幸は控えめに挨拶をしてきた。


「や、やぁ・・冴子」

「秀幸さん、おはようございます」

「おはよう」


かたっくるしい二人に撩と香は苦笑しながら、腕を組んで先を歩いていった。


「香ちゃん、君の兄貴と冴子はいっつもあんなんか?」

「う、うん。デートも食事のみで出掛けたりしてないみたい」

「なんだ、そうだったのか・・・まぁ・・・俺のせいで冴子も忙しかったしな~」

「だから、今日誘ったんじゃないの」

「ああ、そうだな。見守るとしようかね」

「うん」


クスクス笑いながらイチャイチャしている二人を後ろから見ている秀幸の心境は複雑で・・・
好きな女が隣に居ながらも、妹の香を心配そうに見ている。

隣の冴子は、自分に見向きもせず妹の心配をしている秀幸を見て
“いつものことか”と呆れかえっていた。


撩と香がデート場所に選んだのは、前に来た遊園地である。


もう一回来たいのもあったが、秀幸と冴子の関係をもっと深められたらと
撩と二人で計画して連れてきたのであった。


遊園地内に入った撩と香は、早速ジェットコースター乗ろう!と話になり
サッサと行ってしまった。


「おい!香!撩!・・・あーあ、先に行ってしまった・・・」

「あはは、あの二人らしいわね。私達も何か乗ってみる?」

「乗ると言っても・・・」

「んもう、行きましょう!秀幸!」


痺れを切らした冴子は秀幸の手を引っ張り歩き出した。


まったくっ、秀幸ったらいっつもこうなんだから・・・

あの日も私から言い出したのよね・・・




――二年前の撩が去ってから、すぐ後・・・


私と秀幸は撩や香さんの事でよく話をするようになった。

秀幸のお父さんが生きていたときからの付き合いだったけど、
あの頃はそこまで話すこともなかったし・・・
顔を合わすときは、いつも撩や秀幸のお父さんが一緒だったものね。

いつしか私の中で秀幸は特別な存在になって、会う度にそれが大きくなっていた。


あれは、久々に飲もうって事になって、秀幸のお父さんや撩とよく来ていたBarでの事。

二人で飲んでいたとき、いつも冷静な私なのに変に気になっていた秀幸とのお酒で
舞い上がっちゃってグイグイ飲んじゃったのよね・・・


「ねぇ・・・秀幸ぃ?」

「おいおい、お前大丈夫か?随分飲み過ぎなんじゃないのか」

「だって、あなたと居ると調子狂っちゃうのよ・・・」

「何言ってるんだ・・・」


秀幸が私の方へ振り向くと同時に私はキスをしていた。
突然のことで秀幸は驚き即座に唇を離したけど、顔を赤くした秀幸が可愛かった。


「お、おい、お前、酔いすぎてるんじゃないのか!?」

「・・・酔ってないわよぉ」


私の変わり様に秀幸も驚いてたけど、Barのマスターも目の前で起こったことに驚いてたわ。

秀幸は私を家まで送ると言って、よろつく私を支えるために肩に手を回して歩いてくれた。


「今日のお前、おかしいぞ。どうしたんだ?何かあったのか」

「なんにもないわよ~・・・ただ・・・」

「ただ?」

「最近、気になってる人がいて・・・
そいつ鈍感で気付かないのよねぇ。意を決してキスしたのに気付かないし!」

「!?」

「何驚いた顔してるのよ。もしかして、自分かと思った?」

「い、いや・・・俺なわけないよなぁ・・・」

「あなただって言ったら・・・嬉しいの、かしら・・?」


秀幸は目を逸らし顔を赤らめて一言「あ、ああ・・」と言っていた。
私は嬉しくなって秀幸の腕に自分の腕を絡ませてルンルンで歩いて帰った。


あれ以来、お互い忙しい合間を縫ってデートしてきたけど・・・
それ以上の事はなかなか訪れず、触れ合った事なんていまだに無いわ。

秀幸ったら、どれだけ奥手なのよ・・・
それでも私は離れられないんだから、相当なものよね。


こうやって遊園地デートなんて、香さんに誘われるまで来ることなんて無かったわ。
いっつも仕事帰りでBarやレストランで食事だけだったものね。

ホント、今回は二人に感謝しなきゃいけないかも。


よし!こーなったら開き直るしか無いわね!


「秀幸!あれ乗ろ!」

「え?・・・ちょっ!!」


冴子は秀幸の手を握って途端に走り出した。
突然のことに焦りつつも、なんだか嬉しそうな顔を見せている。

二人が入っていったのは、メリーゴーランド。

冴子は馬に跨らず両脚を揃えて座り、秀幸はその後ろの馬に跨って複雑そうな顔をしている。


「あら、秀幸・・・顔真っ赤よ?」

「・・そ、そんなことないぞ」

「うふふっ」


楽しそうにしている二人を密かに覗き込んで見ていた撩と香。


「楽しいそうじゃ~ん?」

「うん、そうだね!」

「じゃ、俺達も楽しいことしに行こうか♪」

「も、もぉー!撩ったら顔がだらしなくなってるわよ!!」

「えっへへ~♪」



撩が香を追っかけ回している頃、秀幸はメリーゴーランドに乗りながら
ボーッと冴子を見つめていた。

その視線に気付いている冴子は気付かないフリをしていたが
胸が高鳴り、目のやり所に困っていた。

(んもう・・・そんなに見つめられてたら秀幸を見られないじゃない)


ドキドキドキドキしていると手を差し出された。

「冴子、降りるぞ」

「え・・・」

いつの間にかメリーゴーランドは止まって周りの人達が降りていた。

そんなことに気付かなかった冴子は照れながら返事をし、彼の手を取ってその場をあとにした。


「さて・・・あいつらは何処に行ったのか・・・」

「あ、撩からメールで“香ちゃんが調子悪いって言うから先に帰ってる”ってきてるわよ」

「そ、そうかっ」

(あら・・・?いつもの秀幸なら妹が調子悪いって言ったらすぐ飛んで帰るところなのに・・・)

「な、なぁ~冴子・・・ちょっと観覧車に乗らないか?」

「え、ええ、いいわよ」


冴子は秀幸に手を引っ張られ観覧車へ入っていった。

徐々に上へ上がっていく。
段々と地上が小さく見えてくる。

2人は終始無言で外を眺めていた。


「嘘のようよねぇ・・・」

「ん?」

「だって・・・ついこの間まであの事件でみんな大変だったじゃない?」

「ああ、そうだな・・・
けど、またこうやって会えて良かったよ」

「・・・うん」

寄り添って外を眺めながら今までのことを語り合い笑って過ごした。


天辺を過ぎたとき、秀幸が急に真剣な表情で冴子を見つめると
ジャケットのポケットから何やら出してきた。それを冴子の手の上に乗せた。

「な、何?」

手の中に置かれた物を見てハッとする冴子。硬直してしまった。

「意味わかるよな?」

「え、ええ?」

「・・・冴子、俺と一緒になってくれるか?」


その言葉を聞いた瞬間、私は目の前が真っ白になり秀幸の顔がよく見えなかった。

私は泣いていた。


「うん・・・こんな私だけどよろしく」


私の返事を聞いた秀幸は微笑んで抱き寄せてくれた。

槇村&冴子2


すっごい奥手男だけど、すっごい優しい男。

ありがとう秀幸。




その頃、撩と香も同じく観覧車に乗り久々の景色を楽しんでいた。

すると撩の携帯が着信メールが入った。


「お、槇ちゃん上手くいったようだぜ」

「え!?ホント!?」

「ああ、ほれ“ありがとな撩、香。上手くいったよ”だとさ!」

「わー!良かった!」


実は今回のWデートは秀幸からの提案だった。

前々から結婚を考えていたのだが、なかなかゆっくり会うことも出来ず
会ったとしても言い出せないでいたからだった。

その事をそれとなく聞いていた香は、撩に相談してみるとセッティングしてみよう
ってことになり、Wデートになったわけだ。

だが・・・


「ねぇ、香ちゃん」

「んー?なにー?」

「槇ちゃん結婚したら冴子が槇村家に嫁ぎにくるんでねぇの?」

「まぁ、普通はそうだよね」

「じゃ~、おまぁは小姑になるんだな~あはは。
ガミガミ言うんじゃねーぞ?」

「い、言わないわよ!」

「ならさ、おまぁも俺の所に嫁ぎに来ないか?」

「も~何言って・・・」


さっきまでおちゃらけて喋っていた撩の表情が一変して真剣な眼差しで香を見つめている。

都会の天使11話2



「な、何・・・?」

「今言ったこと、結構本気なんだけどなぁ~」

「え?えー!?」

「お前が居てくれたら身の回りの事が楽になるしぃ」

「な、なによそれ!」


顔を赤くしてプンプン怒る香の腕をグイッと引っ張り自分の膝の上に
ちょこんと乗せて後ろから抱き寄せる。


「お前が居ればこーやって毎日出来るじゃん?」

「あっ・・・」

「嫌か・・・?」


ブンブンと必死に首を横に振る香。
後ろから見える香の耳は真っ赤に染まり、あまりのドキドキで声も発せないほど。

そんな彼女が可愛くてギュッと抱きしめた。


「じゃ、改めて・・・」


撩が無造作にポケットから取りだした物を香に手渡し
それを見た香は目を丸くさせ驚いていた。


「これって・・・」

「そう、槇ちゃんも同じの持ってたろ」

「うん」

「今回Wデート。実は俺と槇ちゃんでWプロポーズ作戦だったんだぜ?」


香の耳元で囁く。


「香、俺の嫁さんになってくれるか?」

「うん・・・喜んで」


貰った指輪を恥ずかしそうに指に填めた香。

そして丁度観覧車も地上に戻り、降りる撩と香。
そこでしばらく待っていると、秀幸と冴子も降りてきた。


「あれ?香さん帰ったんじゃ・・・」

「え、あ・・・うん・・・帰る前に観覧車に・・・ね」

「そ、そうなの・・・」


撩と秀幸は上手くいったとアイコンタクトを取って微笑み合い、
香と冴子は指輪を填めた手を隠すように彼に寄り添っていた。



まさか自分がプロポーズされるなんて・・・と思う香と冴子であった。




【あとがき】
久々のUPです!
本当にお待たせしてしまって申し訳なかったです!><
挿絵やっと描けたのでUPしましたです。
撩と香だけ白黒でごめんなさい!力尽きましたw

さて、続きはいつになるやら・・・w

励ましや感想待ってまーす(*´ω`*)




テーマ : 自作小説(二次創作) - ジャンル : 小説・文学

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