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2011.05.19(Thu)

都会の天使第二章 第九話「決戦」


第九話「決戦」




――出発前夜。


香も秀幸から許しを貰い今日は撩のマンションに泊まることになっている。


コンコンコンコン・・・

撩の部屋のドアをノックし少し開けて顔をひょっこり出す香。


「撩?ちょっといい?」

「おう、いいぜ」


ベッドの上に寝っ転がり出発前夜を雑誌を読んだりTVを見たりして、まったりと過ごしていた撩。
その隣に寄り添って何かを言うわけでもなく、ただジッと腕にしがみつく。

撩はなんとなく香の気持ちが感じ取れ切なくなる。

香は撩が退院時から付き添い、今日まで家から通い身の回りの世話をしてきていた。
だが、撩はここ一週間香には一切触れないでいた。

それを香は不安に思っていたのかも知れない。


「撩・・・」

「ん・・・なんだ?」

急に下を向きもじもじする香。

「あの・・・あのね・・・あたしのこと好き?」

「・・・ん、なんだ?急に」

撩の言葉に瞳を潤ませて撩を見つめる。

「・・・・照れくさいな、もう。好きに決まってるだろ」

「そか、良かった」

安堵の笑みを浮かべるとまた下を向き撩の腕を掴み身を寄せる。

「な、らさ・・・あたしを・・・抱いて欲しいの」

「香・・・」

「だって、明日撩行っちゃうでしょ?もしもってこともあるし・・・
そんなこと考えたくないけど・・!」


瞳を潤ませ訴える香にずっと堪えてきた気持ちが砕け、香を押し倒すと
ディープなキスを浴びせる。

首筋に顔を埋めキスを一つ落とし、吸い付くと小さい赤い花が咲いた。

すると撩は動きを止めもう一度香を見つめて


「お前の首に俺の印入れておいたから、帰るまで大事にしとけよ?」

「え・・・?」

「今はできねぇよ。今抱くとずっと離したくなくなっちまう。
それにお前もそうなるんじゃないのか?」

「撩・・・うん、そうかもしれない・・・」


必死に涙を堪えている香にもう一度キスをすると耳元で囁く。


「好きだ・・愛してる・・・」

「うん、あたしも愛してる」


互いの気持ちを確かめ合った二人。
そのまま寄り添いながら眠りに付き、明け方頃撩は目を覚ますと
香のおでこにキスを落とし、音を立てないように部屋を出ていった。

そして、ミックと共にクーパーに乗り込み目星がついている場所へ向かった。


もう一度キスをしたかった・・・

・・・撩、無事に帰ってきてね。

そして、あたしのこと・・・


一人ベッドで涙を流しながら香は無事を祈った。



「リョウ、お前カオリに見送ってもらわないで良かったのか?」

「ああ、すぐ帰ってこれるからな」

「凄い自信だな」

「ぜって~奴には勝たないといけねぇだろ」

「そうだな、これ以上被害を増やさないために」

「俺のせいで時間食っちまったし、奴が何か行動を起こしてなければいいが・・・」

「お前もまだ本調子じゃないと思うし、辛かったら言ってくれよ」

「フッ・・・俺は平気さ。少し体が痛いけど、一週間トレーニングみっちりしたせいだな」

「相変わらず回復早いな。まさかこんなに早く元気になるとは思ってもなかったし」

「オレはそんなにヤワじゃね~よ」

「それじゃ、さっさと行って帰ってこよう!オレも彼女ともっこりしたいしな~♪」

「はい?お前いつの間に・・・・」

「ふふん♪」




車は目的地付近まで差し掛かってきた。
山奥にある開けた場所に佇む大きな病院跡地。使われなくなってから1年くらいか。
そこに目を付け密かに自らのアジトにしてにいたに違いない。

病院の前にひとつの車が停まっていた。見覚えのある車だ。やはりここに海原は居る。
二人は確信していると、もう一台車が停まり中から海坊主と冴子が出てきた。


「よし、役者は揃ったな」

「リョウ、ヤツは兵隊を作って待ちかまえているかもしれないな」

「ああ、その可能性はある」

「撩、ミック!おはよう!」

「よっ、冴子。それに海坊主も巻き込んじまってすまねぇな」

「フン、今度キャッツでいっぱい手伝いさせてやるから覚悟しておいてくれ」

「あは、あははは・・・はいはい・・
さぁ~て、反撃といきますか!!」


撩の合図で事前に打ち合わせしていたとおり、撩とミック、海坊主と冴子で組むことに。
建物内のMAPもミックが事前に入手済み。全て頭に叩き入れてある。


「リョウ!オレたちは裏口から攻めてみよう!」

「ああ、わかった!冴子と海ちゃんは表から派手にやっちゃってくれ!」

「おう、その方が俺らしくて好きだ」

海坊主は既にバズーカを担いで準備済み。
それを傍で見ていた冴子は「おてやわらかにお願いするわ」と一言。


ドゴオオオオン!!!!


勢いよくロケットランチャーを発射すると、それと同時に撩とミックが裏口から建物内に入っていく。
冴子も銃を構え敵の出方を待っているが、今のランチャーでも敵一匹も出てこない。


「おかしいわね・・・一人も出てこないなんて・・・」


冴子が不気味がっているその頃、撩とミックは海坊主の好き放題に暴れる音を聞きながら
一階部分を捜索していく。
外の光りが差し込み、ある程度明るい室内。どこに敵が潜んでいるか分からないため
銃を片手に耳を済ませ1個1個部屋を回っていく。

何処へ行っても敵の気配がない。


その時、撩の携帯が鳴った。

『撩!こっちは誰も出てこないわ!』

「そっちもいないのか~どうしたもんかね」

『そっちもいないの!?一体海原は何をしようとしてるのかしら!』

「とりあえず、俺達は一階を隈無く回ったら二階へ上がろうと思う」

『了解!私達も後を追うわ!』



「よし、じゃあミック先を急ごう」

「オッケー!」




――その頃、どこかで階に怪しく響く足音と笑い声。


カツンカツンカツン・・・


「フッフッフッフッフ・・・」




そんなことは露知らず、手分けして海原の行方を探っていく。
4人は全ての部屋を周り終えると残すは屋上だけだった。


「ミック、俺が先に行く」

「気を付けろよ!」


屋上へ上がった撩の目に写ったのは、まさしく海原であった。
だが様子がおかしい。


「息子ヨ・・・来タカ・・・サァ・・・コッチヘ来イ・・・」


両手を広げこちらへ来るよう促す海原。
撩は警戒しつつ近づいていく。

後からやってきたミックや海坊主に冴子は近寄っていく撩に
気を付けろと叫ぶ。


「親父・・・何故兵隊を連れてこなかった」

「私ニ・・・従ウ・・・・者ナド・・・モウイヤシナイ」

「何を言って・・・」

「私ガ作ッタ・・薬デ・・・・皆・・・使イ物ニナラナクナッテシマッタ!」

「!!」

「フッハッハッハ!!
オマエが、ヤハリ・・必要ナノダヨ!息子ヨ!オマエダケガ、アノ薬に勝テタ!」

「サア・・オマエニ・・・マタ、コノ薬ヲ使ッテヤロウ!!」


途端に海原は持っていた注射器を振り回し撩に襲いかかる!


「海原の様子がおかしいわ!」

「ああ、少しよろついているし顔色が悪い・・・
まさか・・・ヤツも・・・?」

「撩を一人にするのは危ないわ!私達も応戦しましょう!」

「オッケー!」


3人は撩と海原が居る屋上端へ走って向かう、だがそれを察知した海原が
ニヤリと笑うと隠し持っていた小さなリモコンを押した!


・・・・・・ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ



「な、なに!?」


冴子やミック、海坊主はその揺れに動きを止めると、足下に亀裂が入り勢いよく割れていく。
3人は後ずさり亀裂はどんどん広がり大きくなっていく。
これでは向こう側にいる撩の所には到底行けそうにない。


「まさか、爆薬を仕掛けてるとは気付かなかったな・・・」

「こんな間が空いていちゃ向こう側に行けそうにないわ!!」

「くそ!これじゃリョウが危険すぎる!!」

「まさかと思ったけど、海原も薬打っているの?」

「ああ、ヤツの変な動きからしてそうに違いない!!」

「困った奴だな・・・」

「仕方ないわ!私が応援要請出すわ!」


冴子が携帯で応援要請をしている間、ミックと海坊主は銃で海原を威嚇していた。


海原は依然撩に注射器を振り回し襲いかかろうとする。
撩は何とかそれから逃れ銃を片手に応戦している。

ミックが何発か海原に打ち込んでもやはり薬の効果で痛みなど感じず
一瞬よろつきながらも笑みを浮かべながら撩を追いかけている。


「ダメだ!弾が効かない!」

「ミック、下手なことをすれば義足に当たって爆発しかねないぞ」

「ああ、そうだな・・・」

「二人とも、応援要請は完了したわ。少し時間掛かるかもしれない」

「オッケー、それまでなんとか持ちこたえて欲しいところだな」


撩は追いかけてくる海原を避けつつパイソンで頭を狙うが強化された海原は
機敏な動きを見せなかなか狙いが定まらない。

逃げつつシリンダーに素早く弾を詰めていく。

それを何度も繰り返し時間だけが過ぎていった。


(くそっ!なかなか当てられねぇ!!)

「クッハッハッハッハ!観念シナサイ!!」

「してたまるかよ!!俺は生きて帰るとあいつを約束したんだ!!」

「アア!オマエニ・・コレヲ打ッテ・・・小娘ノトコロヘ・・送リ込ンデヤロウ!」

「もうお前のバカな遊びに付き合ってらんねぇーんだよ!!」


ドゴオオオン!ドゴオオオン!


パイソンで撃ち込んだ先は・・・


大きな爆発音が聞こえ吹き飛ばされる撩。ミック達の方にも衝撃波が押し寄せ
屈んで吹き荒れる瓦礫から身を守る。


「撩の奴、義足に当てやがったな!」

「りょーーーー!!!」


舞い上がる瓦礫の粉から表れた撩は気を失って倒れていた。


「なんてことなの!!」


その向こうから上半身だけになった海原がズリズリと撩に向かって這い蹲ってくる。

「な、なんなんだた!あれは!」

「海原!?」

「あんな身体でも動けるとは・・・!」

ミックが海原に向かって銃を向けようとすると、遠くの方から警視庁のヘリが近づいてきた。
冴子は銃をミックらに向け応戦中のように見せかけ、片手を振り誘導をする。

「お願い!あなた達を追ってここまで来たってことになってるから!私と応戦してるフリして!」

「あ、ああ、OK!」

真上まで来たヘリからロープ状のハシゴが降ろされそれに冴子が飛び乗ると
その下にミックもしがみつき、海坊主もしがみついた。
冴子はよじ登りヘリに乗り込む。そして操縦士に「男二人がへばりついてるから
振り落としてと操縦桿を無理矢理撩の方向へ操作する。

撩の真上まで来た時、海坊主は手を差し出し撩を掴もうとするが、ヘリが不安定な動きでなかなか
うまくいかない。


「くそっ!」


片手に注射器を持った海原がすぐそこまでに迫ってきていた。

ずっとこのままの位置に留まれるわけもないヘリの冴子。
何度か操縦士に操縦桿を握り替えされてしまうが「まだ振り落ちてない!」と言い訳して
また操縦桿をグイッとして撩の方へヘリを誘導した。


「撩!早く目を覚ませ!!!香がお前を待っているんだろ!!」


海原はもうすぐそこまで迫ってきている中、撩はいまだ気を失い倒れている。
ハシゴにしがみつくミックや海坊主は風で揺れてしまう為、銃で狙いが定められない。


「撩!!!」


「撩!!!」



這い蹲る海原が撩に向け注射器を振り上げ襲いかかろうとしていた。



To Be Continued...

テーマ : 自作小説(二次創作) - ジャンル : 小説・文学

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